第125話

「おめでとう」
1,498
2020/07/01 11:49
神山side
7月1日午前12:00 日付が回ったその瞬間に
鳴り止まない俺の携帯。

長年お世話になっているスタッフさんや
メンバーからのお祝いメール。

ただ1人だけ一向にお祝いメールが来なかった。

金井あなた。この男だけ。
1番メールが来て欲しい男が
よりによってこういう時だけ来ない。

仕事ってことは分かってるけど
でもやっぱりちょっと寂しい。
他のメンバーからの連絡は勿論嬉しいけど
やっぱり全員からもらった方が嬉しいやん?





そんなことを思っていたら
家のインターフォンが鳴った。
いや…時間よ!!
12:30分、こんな時間にインターフォンが鳴るなんて
怖いやん!!
神山智洋
神山智洋
はーい?
恐る恐るインターフォンのカメラを覗いた。
そこに映っていたのは
金井
金井
あっ!俺俺!あなた!
開けて〜!
神山智洋
神山智洋
えっ!?
そう、あなた。
マネージャーによれば
今日のあなたの仕事は13:00に終わればいい方とか。
慌てて玄関の鍵とドアを開ければ
そこには薄着のあなたが立っていた。
金井
金井
お邪魔します!
神山智洋
神山智洋
邪魔するんやったら帰り〜?
金井
金井
えっ!!
そんなん嫌や!
やっと智洋に会えるのに!!
ちょっとだけ可愛いって思ったり…。
ちょっとのんちゃんと重なった笑笑。

でもなんでこんな時間に?
そもそも仕事は?
もう終わったん?
金井
金井
仕事は巻いたで?
俺が監督さんに言ってん。
大事なメンバーの誕生日なんで
早く上がりたいです〜って笑笑
神山智洋
神山智洋
えっ?えっ?
金井
金井
顔に出てたで?智洋。笑笑
それに…。
エスパーか!と思ったらどうやら顔に出てたらしい。
座っていたあなたは立ち上がり
まだ立っていた俺の前に来た。
金井
金井
お祝いメールは1番最初に出来ひん
かったから
27歳になって初めて会ったのが
俺であって欲しかったっていうか…
なんて言うか…。
神山智洋
神山智洋
ふふっ。
金井
金井
な!なんで笑うねん!
神山智洋
神山智洋
ごめんごめん。
なんか可愛いなぁって。
一番最初におめでとうとメールが出来なかったから
俺が27歳になって初めて会うのがあなたでええやろ?って。

嬉しいけどさ?
普通そういうのってかっこよく言うもんちゃう?
彼女の前に言うもんちゃうの?
金井
金井
win-winの関係になるやろ!
なぁ!
神山智洋
神山智洋
はいはい、なるなぁ。笑笑
金井
金井
はぁ…。
恥っず。
こんなん、崇裕の前で言ったら
やばいわ。
神山智洋
神山智洋
どんな反応するん?
金井
金井
そんなん、黙って固まるやろ笑笑
あいつ、俺の事好きすぎやで笑笑
そう言って笑うあなたも幸せそうな顔をしている。
あなたも濵ちゃんのこと好きなんやろ?
神山智洋
神山智洋
あなたも濵ちゃんのこと好きやろ?
金井
金井
おん、好きやで。
メンバー全員。智洋も。好きやで。
神山智洋
神山智洋
ふふっ。
金井
金井
笑った!
27歳初めて笑った顔俺が頂きました!笑笑
トイレ借りるわ〜!と
リビングを後にしたあなた。

せっかくやから2人で簡単なものを食べようと
キッチンに向かおうとすると

近くのテーブルに置かれてある小さな紙に
気が付いた。

そこにはあなたの字で
メールで言いたかったことをここで伝えます!
智洋、お誕生日おめでとう。
智洋が27歳になったんやな…。
俺の中では24歳で止まってます。笑笑
奇抜で小さくて可愛くて。
スイーツ食べてる時の智洋の顔
めっちゃ可愛くて女の子か!って思います。笑
かと思えばダンスやアクロバットが
バッキバキで歌も化粧水のように透き通っていて
ギターも上手くてかっこよくて
なんでもこなす完璧な神山智洋が、
俺らのメンバーに居て良かったって思ってます。
これからもずっとずっとよろしくな。
一緒にてっぺんとろうな。
大好きです。あなたより。
神山智洋
神山智洋
ほんまにずるいわ〜。
まだトイレから戻ってきてないあなた。
俺は小さく折りたたんでズボンのポケットに
しまい、

エプロンを手に取り、料理を作り出した。

プリ小説オーディオドラマ