第17話
ある日のこと……。
重岡side
今日は全員での雑誌の撮影中。
今日のペアは、俺とあなた、流星と濵ちゃん。神ちゃんと淳太。小瀧と照史。
今は、神ちゃんと淳太が撮影中で
濵ちゃんと流星がインタビュー中
俺とあなたと小瀧と照史は待ち時間。
俺は今、あなたの隣で撮影中の
神ちゃんと淳太を見てる。
そう言って、あなたは
撮影しているスタジオを後にした。
様子を見に来たのか、照史が俺のそばに来た。
スタッフ「重岡さん、次あなたさんとなんですけど…」
スタッフ「すみません。お願いします。」
俺は携帯で
次やで〜ってあなたに送った。
でも一向に既読がつかない。
濵ちゃんはスタッフさんに
あなたを探しに行くと言って、俺も一緒に
着いて行った。
そう言って濵ちゃんの後ろを着いていけば
なんかゴーゴーと言った音が近付いて聞こえてきた。
そして、そのゴーゴーという音がする部屋の目の前に濵ちゃんは立った。
濵ちゃんの目は真剣かつ、ちょっぴり寂しそうな目をしてた。
ドアをノックせずに入る濵ちゃんに
ちょっぴり驚きながらも、
でも濵ちゃんが、言ってたことが直ぐに分かった。
俺が見たものは、喘息の発作を抑えるための
吸入をしていたあなたと大量の薬やった。
俺は初めてあなたの弱っている所を見た。
濵ちゃんが言ってたことが全て分かった。
確かにこんなことを予想していれば
誰だって当たって欲しくはない。
それに、本人も見られたくないから
敢えて理由を話さずに、俺から離れ
辛い現実と1人で静かに闘っていた。
本人もやりたくないやろうな…。
そう言いながら
さっきまで使っていた吸入器と大量の薬を袋に入れ、飲んだ後のカプセルをコンビニのゴミ袋に入れた。
片付けを終えて、
濵ちゃんはあなたが持っていた吸入器と薬を
持ち、楽屋に戻った。
さっきまで濵ちゃんと歩いた道を
今はあなたと2人と歩いてる。
それから撮影が行われているスタジオに向かい
スタッフ「大丈夫ですよ!では撮影しますね!」
カメラマン「じゃ、笑顔お願いします!」
カメラマンの指示に従い、俺らは撮影を始める。
そんなとき、
「頼って欲しい」
俺の願いがちょっとでも届いたかなって
ちょっと嬉しかった。