第176話
新しい仕事
金井side
あの一件から数週間経った頃
俺の腕も頭も綺麗に治って復帰後初めての
メンバーでの仕事。
崇裕以外のメンバーは俺が今日からって言うのを
知らない。
崇裕は何故か分からないがバレてもうた笑
退院手続きも終わり荷物整理も終わって
マネージャーが来るのを待っていた時
コンコンとドアがノックされて
はーい!と返事すると入ってきたのは
崇裕が荷物を持ってくれて
2人で長い廊下を歩き久しぶりの崇裕の車に乗った。
そっから話も盛り上がって仕事現場に向かった。
楽屋には俺らしか居らずまったりとした時間が流れた
それから程なくして廊下が騒がしくなった。
足音的に…
崇裕が指したのは
いつも俺らが荷物をしまう大きな棚。
人も入れるほどの余裕もあり
よく大毅が淳太を驚かすためにもやっている。
崇裕の協力の元俺は棚に入って
スタンバイOK。
すると丁度、楽屋の扉が開いて
照史と淳太が入ってきた。
ルンルン気分でここに俺がいるのを知らない2人は
俺の話をその後も続けた。
俺がいる扉の前に照史が立った。
そして、照史が俺が入っている棚の扉に手をかけ
開けたその瞬間
そんな話をしているとまた足音が聞こえた。
崇裕の隣に座って
普通に喋っているとガチャとドアが開き大毅が
入ってきた。
ここで気がつく大毅。
驚き方も独特で俺らは爆笑やった。
そう言っていきなり俺にイタズラしだした大毅。
思っきり崇裕の上に乗って暴れる大毅。
さらに大毅はズボンのポケットから
前、崇裕から貰ったお土産の剣を抜いて
崇裕に何回も刺したりしていた。
…パパジャニのおままごとよりカオスやで?
史上最大のカオス劇場は
一旦納まったものの大毅は足りなかったのか
直ぐに崇裕から標的を変えて淳太に移り変わった。
…淳太、お疲れ様です。
まだ来てない3人を待っている間
今日の仕事内容を崇裕と一緒に確認していた。
するとまたガチャとドアが開き
次ぐに入ってきたのは智洋やった。
俺を見つけるな否や横からギュッと抱きついてきた
智洋。
中々こんな智洋もないなって思いながら
俺もちゃんと受け止めて頭を撫でていた。
智洋は横から正面に移動して頭を俺の胸に
グリグリと押し付けて
とニコって笑ってまた俺の胸に頭を置いた。
しばらく抱きついたままの智洋をそのままにして
崇裕と続きの確認をしていた。
一旦離れた智洋はカバンから同じ資料を取り出して
3人で仲良く確認をしていた。
…その時
背中に重たい感覚があり
頑張って誰が背中に乗ったか確認しようとしたら
直ぐに誰かが分かった。
崇裕が望が入れるくらいのスペースを空けて
そこに望が入ると直ぐに
横から抱きついたり、俺の頬を叩いたり
ビョーンと伸ばしたり色々と遊んでる。
黒のカッコいいリュックから
透明なファイルを出してそこから今日の資料を手に取り
俺らと一緒に打ち合わせを始めた望。
さっきまでの甘えん坊とは逆に
資料を持った望はキリッと真剣な表情に変わり
仕事顔に変わった。
あの後から小一時間程度
皆の心配な点や改善点などこと細かく聞いて
全員が大丈夫と声を揃えた時
硬い和式に寝っ転がりながら打ち合わせをしていた
せいで俺は立ち上がって伸びをしていた時
いかにも寝起きな流星が俺を抱きしめてそのまま
立って寝てしまった。笑
一旦流星は俺から離れ眠い頭で考えたが
俺と目が合った瞬間俺の方に逆戻りして
また立ったまま寝た。
欠伸をした流星はそのまま望を誘って
メイクに行った。
…望を置いていって笑笑
慌てて望を追いかけたが間に合ったのだろうか笑
あの後無事にツインも帰ってきて
淳太と照史、智洋と大毅、俺と崇裕が
メイクに行って 衣装に着替えて
久しぶりの雑誌の撮影に。
セットも衣装も豪華で
最後には復活おめでとうと可愛らしいケーキも。
オフショットにケーキを囲んだ俺らと
俺とみんなのツーショット写真が使われた。
楽屋に戻ってメイクを落としたり着替えていると
マネージャーが中に入ってきた。
マネージャー
「新しい仕事2つ。メンバー全員の。
MUSICDAYとバラエティ。やるよね?ね?」
半強引なマネージャーやけど
久しぶりの仕事やし、MUSICDAYに
今年も出れると考えるだけで嬉しかった。
周りのメンバーも見てみるも優しく笑って
頷いていた。
まだ決まってもないのに
シャッフルメドレーのことしか頭にないメンバー。
まぁたしかに、あれ結構俺も好きなんよな…。
今年は誰となんの曲をやるんやろうと
こっそり俺も楽しみにしていたのは
ここだけの秘密。