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第128話

「おめでとう」
金井side
お風呂の中で今日のことを思い出していた。



明日から本格的な撮影が始まる。
今日は打ち合わせや顔合わせ。
予定よりも遅くなってしまい智洋のお祝いメールも
出来なかった。
全ての仕事を終わって携帯を見れば
液晶画面に表示されている時間はもういい時間帯。
でも無性に今日の主役の男に会いたくなって
マネージャーに無理言って智洋の家に向かうように言った。

監督やスタッフさんたちに
明日からよろしくお願いしますと
頭を下げて自分の楽屋に戻り
支度をしていた時やった。
穂乃ノ(ほのの)
穂乃ノ(ほのの)
失礼しまぁーす♡
楽屋のドアをノックせずに突然入ってきた
厄介な女優さん、村田桃乃さん。
金井
金井
あ、はい。
穂乃ノ(ほのの)
穂乃ノ(ほのの)
明日からぁ、よろしくお願いしますぅ。♡
金井
金井
あ、よろしくお願いします。
とりあえず適当に対応して
帰りの支度を済ませる。
穂乃ノ(ほのの)
穂乃ノ(ほのの)
こっち見てくれませんかぁー?
金井
金井
すみません。
俺急いでるんで。
約束あるんで、行ってもええですか?
穂乃ノ(ほのの)
穂乃ノ(ほのの)
えぇー、そうなんですかぁ。
でも〜
ちょっとくらい、いいじゃないですか〜?
聞いてたか?人の話を。
俺は急いでいると言っはずやねんけど…。

早くしなきゃ、ほんまにあかん。
智洋寝てまう。
金井
金井
ほんまに、やめてください。
相手待たせてるんで。
今日の主人公神山智洋が待ってる。
まぁ約束はしてへんけどな。
でも、27歳にになって初めて会うのが
メンバーとか絶対智洋も幸せやと思う。
穂乃ノ(ほのの)
穂乃ノ(ほのの)
えぇ〜、そんなぁー。
ベタベタと左腕を掴み触ってくる女。

思い出したくない記憶が蘇る。
するとそこへ…
マネージャー
「あなた行くぞ。」
「村田さん、あなた急いでるんで
離してくれませんか?」
「こいつ、顔には出さないけど、
本当はベタベタと触ってくる女嫌いなんで。」
そう言って俺らの間に入って、
俺の体を触っている村田さんの手を離す。
マネージャーはそのまま俺の荷物を右手に持って
触られていた左腕を反対側の手で上から擦りながら
俺を支えて楽屋を後にした。
金井
金井
助かった。ありがとう。
マネージャー
「当たり前。大丈夫か?」
金井
金井
おん。
このまま智洋の家に向かってくれ。
マネージャー
「はいはい、それ2回目。」
金井
金井
ふは。
車に着くまで俺の左腕を優しく擦り
支えてくれた。


車内は何も話さずそのまま静かに智洋の家に着いた。
ありがとうとマネージャーに伝え
車の扉を閉める。
車が見えなくなるまで見送って
見えなくなったら智洋の家のインターフォンを
鳴らした。










そして今に至る。
明日…いや現実的には今日から
本格的な撮影が始まる。

村田さんとの絡みもガッツリと言っていいほど
沢山ある。

どんなことが起きるんやろうかと
不安で不安でたまらなかった。
噂も聞いたことがある。
現にこの女は確か前に、
メンバーとも共演経験があり
俺に近づくために絡みに絡んだとか…。

嫌なことを忘れたかったけど
変な思いをしたくなかったけど
マイナスな考えをしたくなかったけど
逆にそれしか頭の中を支配しなくて
そんな苦痛な思いを綺麗に流していくように
いや、苦痛な思いを綺麗に流して欲しくて
熱いシャワーを思い切り頭からかけていった。






落ち着いてきた頃にお風呂から出て
体と髪の毛を拭いて
智洋から借りた洋服を着てリビングに戻った。

リビングに繋がる扉を開ければ
ソファーに座って録り溜めしていたドラマを
見ている智洋が居た。
金井
金井
風呂ありがとう。
めっちゃ気持ちよかったわ。
神山智洋
神山智洋
ほんま!それなら良かった!
あ、寝ててええで!
俺も風呂入ってくるわ!
金井
金井
いや、俺も明日の確認したいから
台詞頭にもう一回叩き込むわ。
神山智洋
神山智洋
わかった!
時間見てな?
もう時間も遅いから!
あ、ドライヤーはテレビの近くの
棚の下に入ってるから使って!
金井
金井
おう!
智洋がお風呂セットを持って
リビングを出て行ったのを確認して
カバンからガサゴソと台本を取り出し
智洋から教えてもらった棚から
ドライヤーを見つけ出して
ドライヤーをつけた。

ゴォーと大きな音を立てて
凄いスピードで乾いていく俺の髪は
台本を読みながら乾かすための時間潰しには
ちょっと物足りなかった。

髪の毛を乾かし終えて
ドライヤーも元の位置に戻し終えて
ソファーで台本をもう一度確認した。
金井
金井
「俺が君を守りたい
そう思ったら迷惑?」
金井
金井
「残りの人生とかそんなん関係ない。
俺が増やしたる。生き伸ばしたる。
俺が隣にいて嬉しいって幸せやって
思わせたる!
俺の前だけでええから、素直で居ってよ。
強がらんでええから。」
今回の内容は
初恋相手の幼なじみが別の人を好きなる
でもその好きな人がある日突然病気になる。

ちょっと悲しいラブストーリー。
金井
金井
「君の幸せの中に少しでも
俺はいるのかな。」
「愛してるって伝えた時、
君はどう思ったのかな。」
「君の周りには沢山の人が居るんや。
必ずその中にもちゃんと…ちゃんと俺も
居るから。」
明日撮る分の台詞の確認も終え
ソファーに丸くなって静かに眠りについた。



















お風呂上がりの智洋が
俺を起こさないように智洋の上着を俺にかけて
ソファーの近くに置いてある台本を
智洋が静かに読んでいたなんて

この時はまだ知らなかった。