第201話
⑨
重岡side
ソファで眠っているあなたを見守りながら
俺らは夕飯の準備などしていた。
…小瀧は動けないから濵ちゃんと一緒に
あなたの見守り隊としてそばにいる。
……俺はと言うと
何故か分からんけど照史と神ちゃんと一緒に
料理をしている。
…淳太と流星はどこ行っとんねん!!!!
台所でアワアワして大きい声を出してしまい
うわぁー!って1人で後悔していると
俺の体がいい匂いに包まれて俺は今
誰かにバックハグされてる状態ってことが
直ぐに分かった。
バックハグの犯人はあなた。
そして寝起きやからふわふわな事。
そしてそして寝起きやから俺の首にグリグリと
頭を押し付けて来た。
………俺彼女やないんよ。お前の。
君は、藤井流星ですか?
って1人でツッコミたくなるこの状況。
もう俺は呆れて1人で黙々と作業の続きをし始めた。
急に何を言い出すんかと思ったら
急に離れて濵ちゃん達の方に戻って行ったあなた。
時々言う「そばにいて」や「離れんといて」
別に離れる気なんてないし
ずっとそばにいるし
何を抱えてるんやろって不安になる。
無意識に濵ちゃん達と楽しく話している
あなたの方を見ていた俺に神ちゃんが
話しかけてくれたお陰で現実に戻してくれた。
楽しく話している時に見せるあの笑顔の裏に
隠している物を俺らは早く知りたい。
あのスーツの男だけではないって
勝手に思っている。
俺の気持ちが分かったのか
隣に立って俺の作業を手伝ってくれている神ちゃん
の言葉に俺は何故か救われた。
俺らが作った料理が出来上がり
皆で仲良く楽しく盛り上がってその後はお開きに。
次の日も皆で仕事やから遅れんなよ〜!って
言いながら皆がみんな自分の家に帰って行った。
でも次の日から俺らは
あなたの笑顔や
あなた自身を守れなくなっていくなんて
俺らは分からなかった。