桐山side
あの日から1週間位しか経っていないある日
あなたの怪我を事務所が公表し
あなたは一時活動休止に。
俺らもあなた抜きで雑誌やら出ようか悩んでいたが
しげがあなたを不安にさせてまうから
俺らも一旦皆での仕事は休もうと
言って俺らも個々以外の仕事はキャンセルにする
特別な形で仕事をやり始めていた。
そんなある日、個々の仕事も終わって
淳太くんと一緒にあなたが入院している
病院に行こうと2人で向かっていた。
まだ2回くらいしか行ったことがない
あなたが入院している病院に
マネージャーの車で向かっている。
淳太くんは窓の外をただずっと見ていた。
もしかしたら1人で来れるように
道を覚えているのかもしれない。
…俺も覚えておかな。。
もし急にあなたにヘルプが来たら
道知らないからとマネージャー呼んでいる間に
何かあったらもう遅いから。
マネージャーが来ない可能性もあるから。
マネージャー「着きましたよ。」
荷物を持って2人で車から降りて
裏口から中に入って行く。
長く感じる廊下をただひたすら歩いて
途中で左に曲がったところにあるあなたの部屋。
ほんまに高級感あって病室か疑うレベル。
茶色の扉をノックし淳太くん先頭の元
2人で入っていく。
ベッドには寝ているであろうあなた。
しかし頬は沢山濡れていて、泣いていたんだと
すぐに分かった。
俺らは急いであなたに近付いて
小さい椅子をベッドのそばに置き
2人でその椅子に座っていた。
すると俺のほうをむいて寝がいりをしたあなたは
閉じている瞼から涙を流しまた頬を濡らした。
なぜこんなに泣いているのか。
どうすればその涙を笑顔に変えることができるのか。
…答えはただ1つやった。
あなたのことは俺らも知ってる。
沢山知っている。
癖も好きなことも嫌いなことも。
全部全部知っている。
やけど俺らとは別にもっと知っているやつが
俺らのメンバーに1人居る。
俺らとは違うはっきりとした理由と詳しいものを
何から何まで知っている。
なぜそのものが好きになったのか。
なぜそのものが嫌いになったのか。
俺らとはちょっとだけ…
いや、大分あなたと活動している期間が長い。
そう、濵田崇裕。
濵ちゃんはほんまに凄い。
濵ちゃんが居らなこんな時俺らはどうすればええか
分からん時がある。
濵ちゃんの声もちょっと聞こえる位の音量で
電話をしている淳太くん。
電話を終えた淳太くんが俺の方に向いて
頷いてくれた。
それはつまり、来てくれるってこと。
もう少しであなたの涙の理由が分かると思うと
嬉しく思えた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。