中間side
今日は収録。メンバー全員と。
俺はいつも楽屋に入るのが早い。
その次にあなたとか照史とか濵ちゃんとか。
俺の次は今日誰来るんやろうって思って
楽屋のドアを開けると…
欠伸しながらあなたが俺におはようと。
珍しい。
あなたが1番なんて。
そして更に驚いたのは、あなたが起きてる事だ。
普段は楽屋に来たら、荷物を置いて
寝ているはずなのに…。
そして、左手には水を持ってる。
薬でも飲むんかなって思ったら、部屋に出るあなた。
そう言って出ていったあなた。
色々不思議やな。
兄組が集まりそれぞれ自由に過ごしていると
少し汗をかいているあなた。
今日の収録で分かるって
なんか汗かく様な企画か?
その練習に行ってたとか?
いや、だったら普通言うよな。
なんか引っかかる。
楽屋に入ってくるや否や
俺にウザ絡みをするしげ。
照史はうどん食ってるし、
濵ちゃんはあなたとお喋り中。
あっ、あなたと目が合った。
助けてとアピールをする。
と思ったけど、あっさりスルー。
誰か!助けてくれ〜〜!
濵ちゃんは勝手に振られ、あなたの
左肩にもたれる。
あなたは嫌な顔せず濵ちゃんの頭をなでなで。
で、俺はと言うと…
Gのおもちゃを俺に投げ
俺の反応を見てケラケラ笑うしげ。
いや、ケラケラちゃうな。
ゲラゲラか。
スタッフ
「衣装着替えお願いします。」
衣装が置かれている部屋に行くまでもガヤガヤ。
誰一人、一人で行かず誰かと一緒に行く。
1人が寂しいようで。メンバーは。
一人一人衣装に着替えスタジオに入って行く。
プロデューサーさんが俺たちの前に来た。
プロデューサー
「今日もよろしくね!」
プロデューサーさんは満足したように
帰る…と思いきや、
あなたの方に止まり、あなたに耳打ちする。
あなたの顔はちょっと暗くなったけど
プロデューサーさんにも何か言って
直ぐに元に戻った。
何を話してたんやろうか。
気になりながらも収録が進んでいく。
特に激しいコーナーもなく、
あなたが汗をかくようなコーナーもなく、
今回の収録は終わった。
照史は直ぐにあなたに寄って行く。
そこであなたが言葉を詰まらせた。
俺たちをじっくり見たあとに
そう言って、1人で先に
楽屋に戻っていくあなた。
あなたええか?
俺らはどんな事があっても
お前の味方やし、助けるから
言ってな?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!