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わたしと
わかれて
きみはさ
「ねえ。また?これで何度目?」
『ごめんって。』
「はあ。何回やれば済むの?浮気」
『違うんだって。』
「その言葉聞き飽きた。その後に、もう次はやらないからさ?お願い許して?でしよ。」
『許して?』
「無理。」
『じゃあいいや。別れよ?』
「いいよ。って、は?」
『じゃあね。ばいばい。』
「え?本当に言ってんの?」
『荷物はここに送っといて。あ、まとめてね?何か盗むとかやめてよ。』
「は?」
バタンっ
「え。」
別れ方が最高に悪かったな。今までで。
彼からの最後の置物はきっと浮気相手の
お家の住所だな。見たことないもん。
こんな住所。
「荷物...まとめてやるか」
浮気相手の子ってどんな子だろう。
メガネかけてて。身長低くて
ぽっちゃりしてて少しおぶってぃ。
って感じの子なのかな?
荷物この家まで持ってて見てみよ。
「うわ。シャペルのバック」
「こっちはヴィトスの財布」
全部プレゼントっぽく包まれてる。
相手に挙げるやつかな?
私なんか
『はい。』
「え?ボールペン?」
『誕プレ』
『欲しいって言ってたじゃん。』
「違うじゃん。私が言ったの
シャペルの財布」
『あ、間違えたーごめんねー。』
ボールペンしか貰ったことないのに。
意味わかんないよ。しかも私が
貰ってたボールペン全部カラカの黒色
温度差が激しい。何この差。
なにこれ。想像してたのと違う。
細い。何もかもが細い。
これ、わんちゃん美人説あるよ?
やばいなー。身長高そうだし。
え、え、今思った。
想像を遥かに超えてる。
クズ男め。
今に見てろよ。お前よりいい男探してやる。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。