第4話

告白の仕方-
402
2020/01/18 00:39
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
ねぇ帝統
有栖川 帝統
有栖川 帝統
おーなんだ?
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
月が綺麗ですね
有栖川 帝統
有栖川 帝統
そうか?いつもと一緒じゃね?
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
ふふっw言うと思いました
有栖川 帝統
有栖川 帝統
は?
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
帝統は知らなくて結構です
有栖川 帝統
有栖川 帝統
そーか
有栖川 帝統
有栖川 帝統
……なんでさ
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
はい
有栖川 帝統
有栖川 帝統
月ってこんなに光ってるんだろ
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
知りたいですか?
有栖川 帝統
有栖川 帝統
えっ知ってんの?!
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
はい、小生は何でも
有栖川 帝統
有栖川 帝統
教えてくれよ!
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
月って実は光ってないんですよ
有栖川 帝統
有栖川 帝統
!?
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
人が勝手に錯覚を起こしているだけなんですよ
有栖川 帝統
有栖川 帝統
へ~すげーな、月って
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
まぁ、嘘なんですけどね
有栖川 帝統
有栖川 帝統
…………
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
あら、怒らないんですか?
有栖川 帝統
有栖川 帝統
は?怒ってほしいのか?
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
え、いえ
有栖川 帝統
有栖川 帝統
別になんかそれが本当でもいいなって思って
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
何でですか?
有栖川 帝統
有栖川 帝統
だって錯覚を起こしてんのは人間だろ?
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
まぁ、その嘘だとですけど
有栖川 帝統
有栖川 帝統
人間じゃねーと見れないってことだろ?だから今じゃないと見れねぇんかなって
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
……はぁ
有栖川 帝統
有栖川 帝統
んだよ
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
いえw帝統はたまに面白いことを言いますよね
有栖川 帝統
有栖川 帝統
うれしくねぇな
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
少しは褒めてますよ
有栖川 帝統
有栖川 帝統
有栖川 帝統
有栖川 帝統
……でも幻太郎って月みたいだよな
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
はて、それは?
有栖川 帝統
有栖川 帝統
なんかさーこう……見てて飽きねぇし、その辺の星より全然光ってて綺麗
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
……………はあ
有栖川 帝統
有栖川 帝統
それに月好きだし
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
帝統
有栖川 帝統
有栖川 帝統
あ?なんだ?
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
月を近くで見ると、クレーターというボコボコにあいた穴があるんです
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
遠くから見て綺麗でも近くで見るとたくさんの穴があるんですよ
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
それに、月は自力で光れないんです
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
月は太陽のあの光が反射してやっと光れているんですよ
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
その辺の自力で光れてる星の方がよっぽど綺麗だと小生は思います
有栖川 帝統
有栖川 帝統
………でもさー
有栖川 帝統
有栖川 帝統
そんなに近くで見れてんのって凄くね?
有栖川 帝統
有栖川 帝統
それに、自力で光れなくたって結果は光れてるんだからさ、
有栖川 帝統
有栖川 帝統
別に良くねぇ?
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
………本当に帝統は面白いことを言いますね
有栖川 帝統
有栖川 帝統
おー
小生がもし月ならば、おそらくあなたが太陽でしょうね
小生を照らす太陽
それはただの普通の人間
……だけど、どこか抜けていて手を離したらすぐ何処かへ行ってしまいそう
それに少し頼りない
でも、月はそんな太陽のことが好き
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
あぁ、次の本は太陽と月の話にしましょう
有栖川 帝統
有栖川 帝統
おーがんばれー
だいたい小生の本では、実際にあったことを元に書き出していくことが多い
身の回りで起きた事件や出来事
散歩していてすれ違った人の雰囲気など
ちょっとしたことでもネタになっていく
それに最近は特に、
……太陽のおかげだろう
真っ暗で足元すら見えない小生の道を明るい光で照らし、
一緒に歩いてもくれた
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
少し風がでてきましたね、中に入りましょうか
有栖川 帝統
有栖川 帝統
………おー
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
どうかしましたか?
有栖川 帝統
有栖川 帝統
あのさ、幻太郎
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
はい
有栖川 帝統
有栖川 帝統
俺だって幻太郎が思ってるほど馬鹿じゃねぇから
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
有栖川 帝統
有栖川 帝統
…………そろそろ寝よーぜ
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
え、は、はい
そして小生は帝統に手を引かれ中に入っていった
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ーゴッ
鈍い音が教室中に響いた
クラスメート
クラスメート
www
クラスメート
クラスメート
なんだよあれwww
不気味に聞こえる小生をあざ笑う声
ーどうして
ーどうして、俺だけが………?
ー何も、していないのに
衝撃と目眩で頭はいっぱいになった
ただ痛いだけなのに大量の涙と汗が出てくる
ーおかしい、こんなの……!
喉はかすれ、声なんて出やしなかった
助けてなんて言えなかった
また、さっきよりも鈍い音が響く
ーゴッッ
~~~~~~~~~~
頭に大きな衝撃が走った
この痛みは以前に体験したことがあるようだった
疲れがとれなくて重い体をゆっくり起こし、周りを見渡した
それは、いつも見ている自分の家だった
と、いつも無いものが目に入った
置き手紙だった
そこにはけして上手とは言えない字が並んでいた
“店の前に並んでくる 昨日の金借りるな”
こう、書いてあった
朝から姿を見せずに出て行くなんてふられた気分だ
良いものではない
まぁ、そいつに恋なんてしているのは自分の方だ
さすがに自分でも言い返せない
そう言ったって夕方にはお腹を空かせて帰ってくるのだろう
いつものことだ




























そう、思ってたのに
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
あなたはいつも予想の斜め上をついてくるんですから

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