第43話

「強くなる」はずだった #43
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2019/08/07 03:45
『...っおい!!!』


俺はすぐに葵を突き放した。


(ジャリッ)


そしたら何か足音が聞こえて


『え?』


音のした方を見てみたら、


学校の生徒らしき人がカメラを持って立っていた。


『は?』


俺は一瞬意味が分からなかったが、


すぐに葵が仕組んだことだと理解した。


(ダッ)


その生徒らしき人は走って逃げ出した。


『チッ』


俺は葵に向かって舌打ちをして


写真を撮ったカメラを持った男を追いかけた。


でも周りが暗かったこともあり、


途中で見失ってしまった。


『くそっ』


すると非通知の電話が掛かってきた。


『...もしもし?』


葵「あ、もしもし?顕嵐?」


『?!葵?』


葵「ふふっ、やっと名前呼んでくれた」


『おい、どういうつもりだよ』


葵「別にどうもしないけど」


『お前が全部仕組んだことだろ』


葵「さあ?笑」


『いい加減にしろよ』


葵「まあまあ、明日楽しみにしといて♡」


『は?』


すると電話が切れた。


『おい、おい、おい!!』


『そもそも何で俺の電話番号知ってんの?変えたの に(ボソッ)』


それから俺は急いで謙ちゃんに電話を掛けた。


(プルル プルル)


謙太郎「もしもしー?」


『もしもし?!』


謙太郎「あれ、顕嵐?」


『おう』


『やばい助けて』


謙太郎「へ?どうした?!」


そして俺はさっきの出来事を


謙ちゃんに話した。


謙太郎「え、葵?ってあの?!」


『そう!』


謙太郎「やば」


『どうしよう』


『明日何があんのかな?』


謙太郎「その人カメラ持ってたんでしょ?」


『うん』


謙太郎「その写真をばら撒かれるとか?」


『え』


謙太郎「分かんないけどね」


謙太郎「顕嵐は葵とキスしちゃったんでしょ」


謙太郎「あなたちゃんに先に伝えておいたほうがいいと思う」


『...やっぱそうだよな』


『勇気が出ねー』


謙太郎「...俺から言おうか?」


『いや、やっぱ俺から言う』


謙太郎「まず風磨先輩に言ってみるとかは?」


『.....』


『殺されそう』←


『...やっぱりあなたにちゃんと言う』


謙太郎「うん、それがいいと思う」


『謙ちゃんありがとう』


謙太郎「おう、頑張れよ」


謙太郎「俺に出来ることがあれば言って。協力するよ」


『ありがとう』


謙太郎「おう、また明日な」


そうして謙ちゃんとの電話を切って、


すぐあなたに電話を掛けた。

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