放課後、私は顕嵐先輩の教室に行った。
そしたら謙太郎先輩が出てきて、
今、顕嵐先輩は席を外していると教えてくれた。
「もう少しで戻ってくると思うよ」って
謙太郎先輩が言ってたから、
廊下で待たせてもらうことにした。
そしたら謙太郎先輩も隣に居てくれて、
話をしながら待っていた。
謙太郎「あなたちゃんは今日どうしたの?」
『えっと...』
謙太郎「あっ、分かった!!」
『え、?』
謙太郎「顕嵐に告白の返事するんでしょ、?」
『...は、え、?』
『ど、どうしてそれを...?!』
謙太郎「いやぁー、ねぇ笑」
謙太郎「俺、顕嵐からよく相談受けるんだよね」
『...』
謙太郎「告白のこともさ、」
謙太郎「どうしよう、嫌われたかも」
謙太郎「ってずっと不安に思ってるらしくて」
『...』
謙太郎「顕嵐、悪い奴じゃないからさ」
謙太郎「よろしくね、笑」
そのときちょうど顕嵐先輩がこっちに向かってきてるのが見えて、
謙太郎先輩は
「内緒ね」
と言ってどこかへ行ってしまった。
そして顕嵐先輩がだんだんこっちに近づいてきて、
私はすごくドキドキしていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!