第2話

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2021/06/20 23:00
家入side
ここ1週間で起きた事について話そう。

一番大きい事は、あなたが転入してきた事だ。

あなたは凄く明るい性格で、とても優しい。
あの五条バカの下らない言動にいちいち笑っている。
屈託の無い笑顔で、きっと心の底から。
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五条悟
ねー聞いてよ、この前さぁ
五条悟
任務で助けたカマキリみたいな顔した女に『私、アナタに一目惚れしちゃったみたい♡』って言われたんだよねぇ
あなた
ふふっ、あはは!!カマキリみたいって、ふふっその女の人可哀想だよー!
あなた
でも面白い表現だねっ!
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五条の自慢話にも笑うんだ。
というかあなたに嫉妬されたいだけじゃないのかとも思った。
そして、あなたが転入してから1週間、あのクズ共悟、傑はあなたにゾッコンだ。
顔が見えないのに可愛い。
真剣に話を聞いてくれて、いちいち動作が可愛い。
この前なんてあなたが走っていたと思ったら盛大に転んで、
立ち上がったと思ったら周りに自分の失態を見た人が居ないかキョロキョロ見回してた。
それも少し頬を赤らめて。
私が見ていた事に気づいてないようだった。
家入硝子
(可愛いかよッッッ!!!!)
今思えば最後の『可愛いかよッッッ!!!!』が声に出ていなかったか不安だ。
あのバカの下らない言動にいちいち笑っていると言ったが、それは傑にもだ。
いや、笑っては無いけど...同じようなモノだ。
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場所は、医務室の前の廊下、私にその会話は筒抜けだった。
私があなたを呼び出して、医務室のドアをあなたが開けようとした時に傑があなたに話しかけたのだ。
夏油傑
あなた、任務で指を怪我してしまったんだ。
夏油傑
手当をしてくれないか?
あなた
てっ、手当?五条くんにも夏油くんにも出来そうな事ぐらいしか出来ないよ?
夏油傑
ああ、それでいい。
あなた
あっ、でも、丁度医務室の前だし硝子ちゃんに治してもらったら?
あなた
私なんかより反転術式を使える硝子ちゃんの方が絶対良いよ!
夏油傑
.........反転術式は使うときっと疲れるから、
夏油傑
あまり硝子に反転術式を使わせたくない、負担を掛けさせたくないんだ...
家入硝子
(絶対そんな事思ってねーだろ。)
家入硝子
(あなたに手当して欲しいだけだろバーカ。)
夏油傑
命に別状の無い怪我だけど少し痛むんだ。
この会話を聞いていたら
家入硝子
(命に関わる怪我負っても傷治してやんねーから。)
そんな感情が出てきた。
夏油傑
私よりきっとあなたの方が器用だろう。あなたに手当して欲しいんだ。
あなた
!!!、そうだね、硝子ちゃんの負担の事まで考えられる夏油くん、凄いよ!!
あなた
硝子ちゃんに呼び出されてたけど、夏油くんが怪我してるなら仕方ないよね、
あなた
私の部屋来て!手当するよっ!
夏油傑
ああ!ありがとう!
見なくても分かる。このときの傑はとてつもなくゲスい顔をしていた。
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私があなたを呼び出した理由はバカ共からあなたを守る為であって決してあなたを独り占めしたいとかそのようなよこしまな考えは決して無い。
そう。決して無い。

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