掃除も洗濯も終わったよ。
いつでも帰っておいでよ。
まだ仕事中の彼に送ってしまった。
俺は仕事が終わり家に直行し、家事をおわらせた。
彼のためにずっと1人で座って待っている。
智貴の言うことも聞いたよ。
だから、褒めてほしいな。
今日は週末。
智貴が1番甘えてくれる日。
智貴の帰りをひたすら待ち続けます。
帰ってきたら頑張ったご褒美を沢山挙げる。
俺もその日は1番甘々です。
tm ただいま。
そう言って鍵を開ける音に、
yf おかえり!…
おつかれって言うはずだった。
タバコの匂い。
君はん って顔して俺はキスして応えた。
彼からタバコの苦い味はしない。
きっと他の男といた。多分健介だと思う。
あの人はよくタバコを吸う。
気にかけて人の前では吸わない人だが匂いは付いてしまうもの。
でもいつもと変わらず週末に甘えてくる彼を見ればそんなことどうでも良くなった。
yf おつかれ。
タバコの匂いがしたって智貴は智貴。
ねぇ、どうして。
なんて聞いたりしないから。
智貴と一緒に夜を過ごせるならそれ以外どうでもいい。
今の関係が壊れてしまうなら言わない方がよっぽどいい。
俺は彼の1部です。
今日も彼と身体を重ねる。
君の掌でもっと上手に踊れるかな……。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!