……明るい…
もう朝?
寝れないまま朝が来た
疲れの取れてない重い体を起こして私は洗面所へ向かった
鏡に映っているのはむくんだ顔
ほっぺをつねってみるもなんも変わらない
諦めて顔を洗い洗面所を出ようとすると
「うわっっ…」
と聞き慣れたような声が聞こえた
今日は突っかかる気分にもなんないんだよ
不思議そうに見つめないで…
そう思いながら重い体を引きずるように部屋に入り布団に潜る
今日は学校休むか…
そう思いながら重いまぶたを閉じる
あ、やっと寝られそうだ…
やっと…ねられry…
はぁ、なんだよ聖実くん…
そう言うと聖実くんは布団を剥ぎ取ってきた
そう言うと聖実くんは「またあとで!」と言って部屋を出ていった
やっと1人になれた…
そう思ったら次は尚人くんが入ってきた
そう
尚人くんはこうやっていつも気にかけてくれる
だからよく相談できるんだけど
これは相談できない
いや、しちゃいけない気がするんだ
「ふーん。」そう言うと尚人くんは部屋を出た
でもすぐにお皿を持ってきた
ご飯持ってこられたらそりゃ起きないわけには行かない
そういや尚人くんは学校どうなんだろ…
そして「まあ、その分夏休みとか短くなるけどね?」と言いながら笑って立ち上がった
はぁ………
みんなが出ていった部屋の中…
シーンと静まり返った部屋の中…
「どうしてくれんのよ」って布団の中に潜り込む
携帯は通知がうるさいから電源を切った
切る前に目に入った通知は俊くんからのLINEと聖実くんからのLINE
多分帰ってきたらまた色々言われるんだろうな…
あの二人は無駄に優しいんだもん
もちろん尚人くんも
そう考えながら食べ終わった食器をかたすために立ち上がった
なんだ…頭が痛い…
あとクラクラするな…
そしてその場に座り込んだ
目眩も少しして体が鉛のように重くなってきた
食器片しに行かなきゃ…
そう思ってまた立とうとした。
後ろを振り向くとびっくりした顔の尚人くんが立っていた
そう言ってすっとお皿を持ち上げて立ち去った
と思いきやすぐに戻ってきた
とここで体が浮いた
尚人くんは部屋を出ていった
そして私はここでやっと眠りについた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!