You Side
本番前のリハーサルのため、11時にステージ集合
え?今何時かって?
10時50分です
かれこれドアの前で30分
ずっとこの調子です
そりゃしないわけないよ。うん。
子どもの時何習ったっけ…
なかなか開けれないでいたドアを躊躇なく開け、
私の腕を引っ張りながらステージまで早足で歩くオンニ
ステージに着いたとたん今までにないぐらいにマネオンニに怒鳴られた
そう言われた私たちはオンニと待たせた先輩方に挨拶をする
私も続いて「お願いします」と言って頭をさげる
顔を上げる。
セロンさんって優しい人なんだなぁ
次にオンニが向かっている先をみると会いたくてもなかなか会えなかった人がいた
背も大きくなって、ちょっと痩せた??
さきほどと同じように頭を下げる
私たちは顔を上げる
目が合う
そんな、掠れた声で私の名前呼ばないでよ…
スタートの合図で会話は妨げられた
↓↓↓
リハが終わると今度はマネオンニとこのあとの打ち合わせをした
さっき遅刻して怒られたばっかりだから
今度こそオンニに言われたことを守らないと
次は殺されそうだ。
静かに楽屋に戻ろう。とした時
誰かに腕を掴まれた
振り返ると、懐かしい顔。
そう言うとオンニは走って楽屋に戻っていった
彼はなぜか、敬語だった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。