吸血鬼は血を吸う化け物。
これはみんなが知っている事だ。
しかし、吸血鬼が食べているのはこれだけではない。
もうひとつ、血と一緒に食べているものがある。
それは...
その人が生きていた証。生きてきた証。
これを食べられるということは、
その人は最初からいなかったものとなる。
そして、死骸は灰となり空に消えていく。
だから、吸血行為は誰にもばれない。
ただ、ばれないからといって、殺しはしていいものなのか...
しかし、食べなければ死んでしまう。
増田はたくさんの人の犠牲の上に成り立つ自分の存在をまだ受け入れられていなかった。
こんな自分がステージにたってもいいのか、ずっと引っ掛かっていたのである。
そして、Mr.Nの存在も気にかけていた。
ヤツの事を想像し増田は身震いをする。
なんにしても4人がいきる道は1つしかない。
明日はコヤシゲの狩りの日だ。
無事に日々が過ぎることを願うばかり...
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。