-増田目線-
昨日、他のメンバーには能力が芽生えたらしい。
今日はその能力についての話し合いの為小山家に集まることになったのだ。
だが、俺には新しい能力なんて見つかっていない...
俺だけ能力無しなのか...
少し気まずさを抱えながら家に向かう。
インターホンを押すとドタドタと足音が聞こえてくる。
ドアを明けながら躓いてる所が小山らしいな。
部屋に入ると
ソファーに座っていたはずの手越が、一瞬で俺に飛び付いてくる。
ドサッ
もちろん、俺は床に崩れる。
俺が驚いていると、手越は嬉しそうに笑う。
手越らしい能力だ。
みんな、こんな能力があるのか...
シゲはソファーに座っているが、迎え入れてくれた小山が見当たらない。
シゲがそういうと、またドタドタと足音がして小山が入ってくる。
え?シゲって、小山を家にいれない能力なのか...
俺が混乱してると、シゲは笑いながら説明してくれる。
時空を歪めるとか瞬間移動とか、能力すごすぎてなにもない自分が恥ずかしくなる。
俺は、小山に尋ねたつもりだったんだけど、手越が嬉しそうに答える。
なにやら小山に目配せすると、いきなり小山を殴った。
バーーーーン💥
ドラム缶を殴ったような音がして小山は悲鳴をあげる。
俺はびっくりして目をつむってしまった。
ゆっくりと目を開けると...
小山の回りには、シールドが張られていて、
手越が痛そうに手をなででいる。
俺もシールドに触れてみるたけど、ホントに固くて殴ってもびくともしない。
シゲが俺に話を降ってきたので俺はびっくりした。
あぁ、今度は俺が見せる流れか...
適当にごまかそうと思ってたけど、言うしかないかな。
3人があからさまに目を丸くする。
手越が俺の回りを瞬間移動しておちょくってくる。
無いって言ってるのに...
ばちゃ!
そのくせ俺の服に血をこぼしてきた。
俺はたまらなくなって、
手越の方に右手を大きく振った。
すると、触れてないはずなのに、手越はぶっ飛んで、壁に叩きつけられていた。
手越の手足は黄色い紐で大の字に壁にくくりつけられていて回りには、手裏剣が刺さっている。
小山とシゲまで絶句して声がでないみたいだった。
手越は怯えた目でみてくる。
俺が手を下げると、手裏剣や紐もパラパラと散っていった。
まだ怯えぎみに、それでも嬉しそうに手越は微笑む。
シゲがふざけて言う。
身構える小山に俺は手を大きくふる。
ピューン。ピシャッ!
だが、今度俺の手から出てきたのは、手裏剣ではなくムチだった。
小山はビックリしてシールドを発動していた為無傷だったが、普通に受けていたら...
この時初めて自分の能力ながら、怖いと思った。
シゲは真面目にしっかり分析してくれる。
手越の提案に全員賛成して、俺らは丸くなって肩を組む。
準備は整った。
絶対に誰も傷つけない...
守り抜いて見せる。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。