-手越part-
仕事の合間に趣味のフットサルをやる。
最近やってなかったから、身体なまってないか心配だった。
だが、今日はからだが軽くてプレーも良くできている。
ホントに、身体が軽い。
まるで空気になったみたいに。
夜に屋根の上を走ったときも、こんなに軽くはなかった。
それに、今は羽根も出していない。
メンバーからパスを受ける。
このままゴールへ走れば...いける!
前にいた何人かを続けて抜き、ゴールキーパーとの1対1。
俺はおもいっきりボールを蹴った。
ボールは信じられないくらいのスピードでゴールに入り、ネットとフェンスを破り飛んでいく...
ボールはもう見えないところまで飛んでいってしまった。
場は静まり返り、みんなが俺を見ている。
いたたまれなくなって、逃げるように去って来てしまった。
なんだよこれ...
俺の手足は桃色に光っていた...
これが、Mr.Nの言ってたプレゼントってやつか。
家に帰り、庭で色々試してみることにしよう。
俺の能力は、キック力やパンチ力が上がるものらしい。
握力も相当な物になっている。
空き缶や、ビンも簡単に握り潰すことができた。
それに加えて、瞬間移動もすることができる。
まあ、移動できる距離には限界があるが、
半径10mくらいは行ける。
体が軽かったのは、このせいだったのか...
俺は拳を強く握りしめる...
LIVEをやらなければいいとかいう人もいるかもしれないが、「吸血鬼が襲ってくるからLIVEは中止しましょう」っていっても誰も信じてくれるわけがない。
襲ってくるのも、LIVEを中止するのも出来ないなら、襲われたときに全力で守り抜くだけ...
大丈夫...
俺は1人じゃない。信じあえる仲間がいる...
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!