第22話

紫色の優しさで守りたい。
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2018/11/03 02:28
-小山part-
俺らの戦うための武器...

飛ぶのも下手だった俺に、新たな能力が芽生えるのか...

3人の足手まといにならないか、そればかりが不安だった。
家にいても、やることもなく、
俺は1人夜道をふらつく。

怪しげなバーの並ぶ通りを抜けると、静かな裏町が出てくる。
人通りはほとんどなく、俺の足音だけが響く。

さびれた服屋、ボロボロの肉専門店。
ここだけ時間が止まったようだった。
??
ざわ...ざわ...
遠くで、なにやら人の話し声のようなものが聞こえる。

こんなところに足を運ぶのは自分だけだと思っていたので、心底驚いた。
それと同時に、この声の主を突き止めてみたいという好奇心も芽生えていた。

こんなところで、何をしているのだろうか...

俺は、声のする方へ進んでいく。
声がだんだんとはっきりしてきた。
??
おい、お前、金を出せよ!
貸したまんまじゃこっちは損なんだよ!
??
すみません、でも、ホントに金はないんです...
どうやら、女性が借金取りに追われているようだった。
俺は忍び足で近づく。

二人のおとこの人が、ボロボロの女性を取り囲んでいた。
女性は小さな赤子を抱えている。
男は金属バットを振り回し、今にも襲い掛かりそうだった。
小山慶一郎
小山慶一郎
待て!
俺は、反射的に、間に割って入ってしまった。人がいるとは思っていなかったらしく、みんな目を丸くしている。
小山慶一郎
小山慶一郎
この女性は赤ちゃんを抱えているじゃないか!少しくらい見逃してやれないのか?
??
黙れ!こいつはな、100万の借金を返さず逃げ回っていたところをやっと捕まえたんだ!
男らは自分が悪者みたいにされたのが気にくわないらしい。
??
そこを退かないなら、お前から殺ってやる!!!
バットを振りかざす2人の男は、
俺をめがけて飛びかかってきた。
ヤバい、殴られる...
小山慶一郎
小山慶一郎
うっ、うわぁぁぁあああ!
俺は、身を縮めて目を固くつむった。
全身に力が入る。
顔を守ろうとしたのか、自然と手が顔の前に前につき出た体制になる。
バーーーーン💥!
ドラム缶を殴ったような音が響く...








が、俺は全く痛みを感じなかった。
小山慶一郎
小山慶一郎
あ...れ?
ゆっくり目を開けると、俺の回りには、紫色のシールドが張られていて、俺と女性と赤子を優しく包み込んでいた。
??
なんだよ、こいつ...
1人の男が怯えた目でみている。
??
おい、こいつやべぇよ!
行こ、!
もう1人が、男の腕を引っ張りながら、退散していった。
俺が力を緩めると、シールドも薄くなり、消えていく。
??
ありがとうございました。
女性はお礼をいうと、そそくさと逃げていった。
これが、新たな能力...
シールドは俺以外の人の回りにも張ることができた。
戦いの時に、どれだけ役立つかわからないから、また4人での会議が必要かな...
俺は、はじめと同じように静まり返った道を、ゆっくりと戻った。

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