第25話

25.
3,725
2021/03/01 17:44


私が平野紫耀の家に家政婦として行き出して数週間ほどたった。

平野紫耀がいる時もあるし、いない時もある

特にこれと言って問題もなく過ごしていた

変わった事と言えば、

今までよりも時間に余裕ができたので
掃除が終わった後、彼の家で勉強させてもらってること

まぁ、平野紫耀がいたら五月蝿くて出来ないんだけど。

勉強の途中で帰ってきたりしたら
ついでに送ってもらったり

あとは、思った以上に彼の仕事が大変そうな事

撮影の時や、ハードスケジュールが続いた時は目に見えて疲れて帰ってきて
顔が死んでること

多分家に帰っても台本読んだり、
仕事の事考えたり寝る間を惜しんで
色々努力してるんだと思う


そーゆー時は、なるべく早めに掃除しに行って、彼が帰ってくる前に私は帰る

あと、一応帰ってきた用に
ご飯の用意と、行かない時用に作り置きもするようになった


気づいた事は、平野紫耀は意外に良い奴だったってこと

意地悪なのは変わらないんだけど
なんてゆーか、どっちかと言うとイタズラっ子?みたいな感じで

最初に会った時よりも、
平野紫耀に対して印象が良くなったのは確かだった

相変わらずのイケメン顔は
いつまで経っても見慣れないけど笑








カナ「ねぇあなた〜、この前言ってた件なんだけどぉ〜」

また始まった

「私は行かないよー、バイトも忙しいし」


カナには以前と同じようにバイトしてる事になっている

カナ「先輩が4人でってさぁ〜あなたが都合良い日でいいから〜」

「いや、今回はマジで行かないよ」











『宮城さんも一緒に行こうよ♪』


後ろを振り向くと先輩と"タツヤくん"がいた

私にあんな事をしたくせに

タツヤくんはヘラヘラ笑って話かけてきた

先輩「よかったら4人で行こうよ^_^宮城さんの都合の良い日でいいからさ」

「いえ、私は...バイトがあるので」

私はその場にいるのが限界になった

「カナごめん、私ちょっとトイレ!」

カナ「えっ?ちょっとあなた!??」

私はその場から逃げた

あのニヤニヤした笑顔を見るだけで

あの時の恐怖を思い出し身体が震える


『大丈夫?』

人通りのいない階段の下でうずくまってる私に声をかけてきたのは


"タツヤくん"だった



「...あ.....あ」

恐怖で声にならない言葉


タツヤ『なんで俺から逃げるの?』

タツヤ『この前はせっかく二人きりになれたのに邪魔されたし』

タツヤ『あとちょっとで宮城さん俺のだったのに』

タツヤ『なんでバイト辞めたの!?あれからズット待ってたのに!!!』


タツヤくんは1人で支離滅裂な事を怒鳴り散らしまた私の腕を掴む


あの日の恐怖が蘇る



怖い!


けどこれ以上平野紫耀や永瀬くんにまで
迷惑をかける事は出来ない




自分でなんとかしなきゃいけない



ーー強くなれあなた!いつも通り強気になれーー



私は力を振り絞った

「さ...触らないで...!!!」

全力で掴まれた腕を振りほどいた

「なんなんだよ!!なんで私にこんな事するんだよ!すっごい迷惑!!」


タツヤくんの顔付きが変わった


タツヤ『君の事ずっと見てたのになんで俺の事拒否するんだよ!!
君の事支えれるなは俺だけなのに!!
なんて生意気な事言うんだ!!!』


ヤバい
目がイっちゃってる



タツヤくんは手を伸ばし
力いっぱい私の首を絞めた

ギリギリと指が首に食い込んでいくのがわかる

「や...やめ...て....」



苦し...息が出来ない....
クソっなんで私がこんな目に...
あ、本気でヤバ....








意識が遠くなる寸前、
かすかに誰かの声が聞こえた





そしてそこで私の意識が途切れた




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