第44話

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2021/04/02 01:09



海人「ねぇ〜まだ時間あるよ、4人でどっか行かない??」


カナ「いいねぇ〜海ちゃんっ!!どこ行こっか」


なんだかこの2人、妙にウマが合うな
ノリが若いというか何とゆーか...



海人「俺、いい事思いついちゃった!!
次の仕事の番組収録一緒に来ちゃう!??」


さすがにそれは無理やろと永瀬くん


海人「観覧席で見ればよくない??」


永瀬「なるほど」


なぜか突拍子もない事を言い出す2人


カナを横目で見ると行く気満々な顔をしていた

そうだ、カナはこーゆー女だ


「ちょっと待って。もしかして他のメンバーもいる?」


永瀬「おん、おるよ。歌番組やもん」



マジかよ...


あれ以来平野紫耀とは会ってないし、連絡も取ってない



気まずすぎだし、そもそもあんな事されてどの面して会えばいいんだ...


あの日の事を思い出し、一瞬胸がギュッとなった


さらにら今私は永瀬くんコーデで
いつもと服装違いすぎて恥ずかしすぎる


しかし私以外の3人は超ノリノリだ

私とはテンションが違いすぎる

絶対に行きたくない











    

 

そして私達は今テレビ局にいる


案の定嫌がる私を、カナは無理矢理つれてきた

来ないなら私の恥ずかしい秘密をバラすという荒業を使ってきた


秘密ってなに?


もしかして私が処女のこと?

でもそれは以前メンバー全員の前で海人くんにバラされた



それとも中学生の時にふざけてカナに
かりんとうだよって嘘つかれて犬のう○こ食べかけたこと??


後部座席の事をずっと後頭部座席って勘違いして言ってたこと??


それとも私のおしりに3つのほくろが並んであること??




なんか思い当たる節がいくつもあって


しかもカナはそれを平気で彼等にぶち撒けそうだったので

渋々ついて行く事になった







あぁ、足がスースーする

スカートなんて履いたの高校の制服以来だ

気持ち歩き方がぎこちなくなる




海人「俺たち、頑張るから2人とも楽しみに観ててね!!」


テレビ局に着き、私とカナは2人と別れる


カナ「ワクワクが止まらない〜♪」


隣で目をキラキラさせているカナに
少しばかりの殺意が湧いた


事前に永瀬くんと海人くんが
スタッフに何か言ってくれてたのか
私達はすんなりスタジオに入れた

観覧席は1番後ろの方だった

収録がはじまり、
何組かのアーティストの人が歌を歌う


私は初めて見る光景と迫力に感動した



となりのカナを見るとノリノリだった


次はキンプリとの紹介の後、

メンバー皆が次々とスタジオに入ってきた

その途端、周りの客席から
信じられない程の歓声と叫び声に近いくらいの黄色い声援がとんだ


すっご...


ステージに現れた彼らは
いつもよりも数倍キラキラ輝いている


平野紫耀が客席に笑顔で手をふった


周りからはキャーー!!とか
紫耀くーん!!なんて凄まじい声が聞こえる

嬉しすぎて泣いてる子もチラホラいる



凄まじい人気だな、、、


私が想像している以上にキンプリの人気は凄かった


歌がはじまった

彼らが歌い、踊りはじめる





なんて言えば良いんだろう



以前ドライブに行った時、
アカペラで歌を歌ってくれた時も
上手いなって思ったけど

実際に生で見る彼等のパフォーマンスは

もちろん歌も上手いし、ダンスも凄い

でもそれだけじゃなく
彼らはとてもキラキラしてて...


皆めちゃくちゃ格好良い



なんて言えば良いか本当にわからないけど...

凄く魅力的で吸い込まれる

目が離せないくらいに





そして普段のみんなとのギャップの差にビックリした




私は思わず釘付けになった










最近はちょっと慣れてきて
普通に話す事が多かったけれども

改めて彼らはアイドルなんだと

私とは住む世界が違う事、

実際は私なんかが友達として一緒にいる事自体がありえない事


いきなり現実を突きつけられた様な気がした





海人くんが私たちを見つけたかのように
歌いながらこちらに手を振った

側から見れば、普通に考えてファンサービスで観客にただ手を振っただけに見えると思う


でも隣でカナは興奮していた



ふと平野紫耀がこちらを見たような気がして

私は極力平野紫耀に見つからないように下を向いた


それでも耳に聞こえてくる平野紫耀の歌声は
すぐわかった

いつも聞いてたハスキーな声は
とても心地良く、そしてなんとも言えない
色気がある歌声だった


思い出すつもりがなくても
彼の歌声を聞いてると、あの日の事を思い出してしまう



心臓がドキドキする






平野紫耀の寝顔

匂い



抱きしめられた感触

そして今でも鮮明に思い出す



あの時の感触....











首が......熱い...







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