第43話

43.
3,233
2021/03/27 03:36

あれから平野紫耀からの連絡はなく

私は相変わらずいつもと変わらない日常を過ごしていた

少し変わった事は
自分の時間に余裕ができたから
大学が終わった後、カナと過ごす時間が増えたことだ


カナは凄く嬉しそうに私を毎回誘ってくる


まぁ、5回中4回は誘いは断るけど笑



カナ「ねぇ〜あなた、今日この後買い物一緒に行こ!」


「またぁ?私別に買うものないんだけど」


カナ「じゃあ私の買い物付き合って!」



仕方なくいいよ。と返事をする


カナ「やった!!最近あなたバイト少ないから一緒にいれて嬉しい❤️」


素直に喜んでくれるカナを見て
可愛いなコイツって思う


きっと世の中の男はこーゆー女愛情表現が豊かな子が好きなんだろうな


まぁ、カナは男心を熟知してる女だけど


でも、友達の私にも嬉しい時や悲しい時、
悪いと思った時は
カナは素直に言葉で表してくれる

そんな所が私は羨ましいし、可愛いし好きなんだよなって思う


私はハッキリ言ってそーゆーの苦手だからなぁ











「そう言えばカナは何買うの?」


カナ「ん、服買いたいの」



街中を歩きながらカナはニコニコして言った



「服?また??この前も買ったじゃん」


カナ「いいじゃん。何かと欲しい服が沢山あってね。
それよりもあなたもたまには服買えば?」



たしかに私は全然服とか持ってない

正直あんま気にした事ないし

3パターンくらいのコーデを常にローテーションしてる感じ


「そんなお金ないよ」


自分の服を買うくらいなら弟や妹達の為にお金使うしなぁ


カナの目的のお店に到着し

カナは嬉しそうに店内に入り店員さんと話をしている

私はとりあえず店の入り口付近をウロウロとしていた




『あれ?あなたちゃん??』


声をかけられて振り返ると海人くんと永瀬くんがいた


「あれ?2人なんでここにいるの?笑
仕事は??」


永瀬「今日の仕事は夜だけやから」

海人「わーい!こんな所であなたちゃんに会えるなんてめっちゃラッキー❤️」


そう言いながら海人くんは
相変わらず可愛さ全開の笑顔で私に抱きついた


「だから!海人くん周りに人いる時はマジやめて。こんな所誰かに見られたら大変な事になるでしょ」




カナ「あなた〜、これとこれならどっちが.....うへっ!!??」



カナがすっとんきょーな声を出して私を見た


カナ「ちょっ...あなた...一体どうゆう事...」


海人くんが私に抱きついてるのを見たカナは
これでもかと目を開いて口をパクパクさせていた


永瀬「カナちゃんもおったん」

カナ「あ、永瀬くん!!ちょっとこれどーゆー事!!」


あの日以来、私たち3人は話す機会が増えた

永瀬くんは、以前よりも他の女子とも少しではあるが話す事が増えていた


海人「あれ?もしかしてあなたちゃんの唯一のお友達??」


「ちょっと海人くん、それめっちゃ失礼だから。まぁ事実ではあるけど」


カナ「笑笑 そうです、私があなたの唯一の友達です」


なんか言い方が変なおじさんみたいだ


永瀬くんがそれに気づいたのかめっちゃ笑いだした


永瀬「ちょっとカナちゃんオモロすぎ笑
2人とも買物?」


カナ「私の買い物に付き合ってもらってる感じ。あなたにも服買えって言ってるんだけど、この子全然買わないの笑」


海人「俺らも服買いにきたんだよー
俺はいっつも廉に服選んでもらってるの^_^
あ、そーだ!あなたちゃんも廉に選んでもらえば??」


ちょっとまた何言い出すのこの子は



カナ「い〜ね〜!永瀬くん、時間あるならあなたの服選んでよ」


永瀬「たしかに。宮城さんいっつも同じような地味〜な服着とるしな笑
ええよ、俺がコーデしてあげる」



ちょっと永瀬くん、あなたまで何を言い出すの



「あ、ほらでもさ、こんな所ファンの子に見られたり、もしかしたらSNSに載せられかもしれないし!!!一緒にいない方が良いでしょ?
ダメだよアイドルなんだから」



そう言うと永瀬くんはフッと笑った


永瀬「2人きりはアレやけど、別に4人だしええよ。なぁ海人??」


海人「うん。俺ら事務所からは異性と2人きりで会うなって言われてるけど
異性の友人関係については、説明出来るなら大丈夫って言われてるから^_^」


なるべく女友達を作らないようにしてたんじゃないんかい????


なんかよくわからんけど
私以外の皆は妙にノリ気になってるし...


カナを見ると、海人くんを見る目が
明らかに獲物を狙う女豹だった



「ちょっとカナ、アンタ顔をやばいよ。
海人くんに変な事しないでよ」


カナに耳打ちしながら私は言った


カナ「わかってるよ!!それにしてもヤバいね海ちゃん!!めちゃくちゃ可愛いね!!
永瀬くんと並ぶと2人ともヤバいわ!!」



カナは目の保養〜とか言ってニヤニヤしている




永瀬「じゃあ、時間まで宮城さんの服選びますか!!」


そう言って永瀬くんは店内を歩きながら
色々な服を見ていた


「なんか、永瀬くん顔怖くない??」



永瀬くんは真顔でブツブツ何か言いながら
真剣な顔で服を見ていた




海人「廉は洋服がめちゃくちゃ好きなの
廉が服にかける情熱は凄いよ笑」




永瀬くんは一通り店内を見回して
何着か素早く手に取った


永瀬「これとこれ、あとコレも。はい、宮城さん着てみて」


はい??


永瀬「そこに試着室あるやろ?」


私試着するの???

2人のまえで???



「試着とか無理だから。てかピンクとか着たことないし、恥ずかしくて着れない」



永瀬くんが選んだのは白のインナーにハイウエストのグレーの膝丈スカート、少しくすみがかったピンクのカーデだった。
あとショートブーツ


まず私では選ばないであろう服の種類だ

基本的に私の服は黒とかの暗い色とかだし
スカートなんてまず履かない


永瀬「絶対宮城さんに似合うて!早よ試着して」

カナ「いいじゃん!あなた試着室行くよ」


カナが私を引っ張り試着室に連れてきた


「マジで試着するの?絶対似合わないし
こんなん私のキャラじゃないしょ」

カナ「いや、永瀬くん良いセンスしてるよ
絶対似合うから早く着てこい」


カナに無理矢理試着室に押し込まれた


着るのかぁ〜

着なきゃダメかぁ、、、

めっちゃ恥ずかしいんだけど




でもせっかく永瀬くんが選んでくれたし...

私は仕方なく試着することにした



カナ「あなたもう着た?」


試着室の外からカナがせかす


カナ「着たら絶対すぐ脱ぐなよ私に見せろ」


カナは相変わらず私の事をよくわかってる



「着たけど...見せるのカナだけだかんね!」



おそるおそる試着室から出た私











カナの後ろに2人いるし!!!






「カナだけって言ったじゃん!!!」


海人「えっあなたちゃん、めっちゃ可愛い!!
めっちゃ似合ってる!!」


カナ「良いじゃん良いじゃん!!似合うよあなた❤️」


なんかめちゃくちゃ恥ずかしいんだけど!!

なんなんだこの人たちは、、、



永瀬「やっぱり!!宮城さん肌白いし華奢やから、絶対似合うと思ってん!!
やっぱ俺天才やわ!!」



この人たちは、、、

私をやたら煽てて褒める

永瀬くんに関しては自画自賛だけど



「もう良いしょ!脱ぐからね」



永瀬「脱がんでそのままでええよ。
俺プレゼントするわ」


は?なに言っちゃってんの?


「ちょっと永瀬くん???」


私の話を聞かず永瀬くんは
店員さんの所に行ってそのままお会計をしている


「ちょっとタンマ!!!!」


「マジでそーゆーの困るから!!」



永瀬「あかんわ。もう払った」



「今すぐ返金してもらって!永瀬くんに買ってもらうような事私してないし!」


永瀬「カナちゃんの欲しかった服も一緒にプレゼントするわ」


カナ「ウソっ!永瀬くんカッコ良いのは顔だけじゃないのね!!ありがとう!!」


カナは素直に受け入れてお礼を言った


この女ぁ、、、


永瀬「この前、俺のファンが迷惑かけたお礼くらいさせてもらってもええやろ??」



そうきたか....




私が返答に困っていると

海人くんが得意のウルウルな目で私に言った


海人「あなたちゃん、廉もこう言ってるし...素直に受け取ってあげて???」



だから反則なんだって海人くんは!!!



私が海人くんのお願いに弱いのを本人が見抜いてるに違いない



この魔性の小悪魔男子め!!



でもわかっているが、やっぱり私は海人くんに弱い




「本当にいいの?金額だってそれなりだし...
それに私こんなにしてもらう程、迷惑なんてかけられてないのに」



むしろ迷惑を掛けてるのは私だ


何度も永瀬くんに助けてもらってる


カナ「アンタも素直じゃないね!
ニコっと笑って『ありがとう』でいいんだよ!」


海人「いいね〜カナちゃん!あなたちゃんは廉並みにツンデレだなぁ〜」













そんなこんなで
結局私とカナは永瀬くんにプレゼントしてもらった


「本当ごめんね、ありがとう...」


永瀬「いい加減謝んのはなし!!すっごい似合ってるから」

そう言って永瀬くんはニコっと笑った




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