第39話

39.
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2021/03/21 22:58

永瀬side



事件から数日後、

仕事でメンバーと集まった時、

海人が昨日宮城さんと皆で

ドライブ行ったって教えてくれた

そう言えばこの前、

みんなオフの日にドライブ行こうって

誘われたけど俺ゲームしたかったし断ってん

海人達はなんやすごい楽しかったらしく

まぁ、岸くんはいつもの事やけど

ジンまで宮城さんと打ち解けた話をしてた





でもなんで?



つい数日前あんな事あったばっかやん



そんなら俺も断らんで

一緒に行けばよかった...

てかなんでそんな事なってん??


岸「まさか宮城さんが

紫耀の家政婦してるとは思わなかった。

すっげービックリだよね」



え??宮城さん紫耀の家政婦しとるん??

めっちゃ初耳やけど...


海人「紫耀の家泊まりに行って、

朝起きたらあなたちゃんがいたから

ビックリした!絶対紫耀とデキてるんだと

思ったもん」



神宮寺「俺も最初ビックリしたけど、

話してみたら宮城さんって、

なんかそーゆータイプじゃなかったから

普通に楽しかったよね笑」





まさかジンまで

こんなに打ち解けてるとは、、、




てか怪我は大丈夫なんか?

相当な力で首を絞められてたはずや

あの時でさえ、首にクッキリと痕が残ってん

きっと今はエグい事になっとるはずやん...


海人「首、かなり痛そうな痕

クッキリだったよね...」


神宮寺「廉に助けてもらわなきゃ

死んでたって言ってたよ」






みんな知っとるんや

俺が助けたのが宮城さんってこと




岸「いやぁ、でもあの人凄いわ。

殺されかけたのにポジティブすぎだし。

俺もあやかりたいわぁ」




ジン「でも、あの首の痕は相当だよね...

治るのも時間かかるんじゃないかな」














しばらく経って、宮城さんが大学に来た



首、、、良くなったみたいで

ほんまによかった


俺はすぐさま彼女に話かけた

すると意外にも、彼女はなぜ紫耀の家で

家政婦をする事になったのかを

説明してくれた

いつも講義終わったら急いで帰ってたんは

家族の為やったんか...


だけど紫耀が女の子を

自分の家で働かせるなんて俺、

信じられへん...

あの紫耀が?









正直紫耀は女に手が早い

誰でもってわけやない

体だけの関係を持つってこと

紫耀はそーゆー女を見分けるのが

抜群にうまい

だけど絶対に紫耀はどんな女にも

リスクを考えて家を教えるなんて事は

しなかったはず

そもそも紫耀が、家に女を入れるなんて

聞いた事ない。


宮城さんはハッキリ言って

まったく紫耀のタイプに当てはまらない



だから下心はない??







なんかよくわからんなってきた...








宮城さんの友達のカナちゃんが俺を呼んだ

カナ「永瀬くん!ちょっと!

あなたが永瀬くんの取り巻きに

連れてかれた!!!」



俺はハッとした




いつもは周りに気をつけて

彼女に話かけてたけど、

さっきは完全に無意識に

宮城さんと話していた


宮城さんを追ってる時、

カナちゃんが教えてくれたのは、

以前も同じ俺のファンの子達に

絡まれた事があったらしい








知らんかった。








宮城さんは俺になんも言ってこんかったから

遠目から、宮城さんが2人組にどつかれて

吹っ飛んだのを見た








「ーッ!!!」










何か言い合いをしている

1人が石を持って宮城さんに振り下ろした


その瞬間、隣で走ってたカナちゃんが

物凄いスピードで走って行って

飛び蹴りをかました

カナちゃんともう1人の子が

物凄い勢いで掴み合いをはじめた

宮城さんを見ると頭から血が出ていた









俺はそれを見て

心の奥から怒りが込み上げてきた














「なぁ...なんでこんな事するん?」












なんで宮城さんが俺のファンに

やられなあかんの

俺の怒りは治らない

「なぁ、アンタらにも同じ事したろか?

この石で宮城さん殴ったんやろ!??」




俺は怒りにまかせて落ちてた石を持った



その時宮城さんが俺を止めた









なんで??









なんでいっつも彼女ばっかり傷つくん??







あなた「もういいよ。私は大丈夫だから

あなた達も本当に永瀬くんの事

応援してるなら、こんな事なんてしないで

もっと他にやり方があるでしょ?」







宮城さんの言葉で

俺は怒る気持ちをグッと堪え、

気持ちを無理矢理落ち着かせ2人に謝らせた


「俺の友達に、、、

これ以上迷惑かけるような事したら、

俺君たちの事許せなくなる

そんなん俺も嫌やから...

...お願いやからもう辞めてな??

いっつも応援してくれはるのに

怒鳴ってごめんな」



これ以上彼女たちの行動で

宮城さんに迷惑だけはかけたくない

ファンに対して

こんなにも怒りを覚えたのは

はじめてかもしれない


2人は泣いて謝ってきて

その後逃げるるように去って行った



その後宮城さんを見ると、

なぜかニコニコしていた

俺のさっきの言葉を対応が満点!

なんて言って褒めてきた




ごめん、


本当にごめん


「ごめんな...俺のファンが迷惑かけて

俺が気ぃつけとったら

こんな事ならんかったのに...」




あなた「ハハッ!気にしないで!!笑

私はある意味貴重なカナの勇姿を

目の当たりにに出来て満足してる笑」



そう言って彼女は笑った







こんな風に言える子って

きっとなかなかいないんやと思う

良い娘やなぁ

強いなぁ












一応俺はあの後、

ファンの2人に改めて話をしに行った

さっきはごめんって

あと、俺の友達傷つけないでって

俺と宮城さんは、そーゆーのじゃないから

心配せんでええよって

2人は、俺に心底申し訳なさそうに

俺に謝ってきて、今後迷惑をかけないこと、

これからも俺を応援してくれる

って約束してくれた





ー俺と宮城さんはそーゆーのじゃない







そんな事を自分で言っておきながら

なんか知らんけど胸の奥がチクリとした











一応、紫耀に連絡せなあかんかな...

なぜか少しモヤモヤした気持ちになったけど

俺は紫耀に電話をした




「紫耀?ごめん、また俺宮城さんに怪我させてしまったわ...」



紫耀のリアクションは思った通りやった

怪我自体は大した事ないこと

俺のファンにやられた事は伝えた







紫耀「廉、これから暇?」



「今日は特に予定ないけど」


紫耀「じゃあ一緒にあなたの家行こうぜ」




は??

なんで??






「いや、無理やろ!可笑しいやろ!」






紫耀「なんで??」




でた、紫耀の"なんで"


この"なんで"がでたら紫耀は止まらん

長年の付き合いから半ば諦める


「そもそも家知らんやろ」


紫耀「知ってるよ^_^」

紫耀「今から迎えに行くから」



なんでもかんでも

思い立ったら即行動の紫耀

大学に迎えに来られて騒ぎになると困るから

近くで待ち合わせをした











ーピンポーン





はいっと言って出てきたのは

宮城さんの弟くんだった

弟くんは俺らを見てパニックになった

そりゃそーだ



紫耀「あなたさんいますか?」



慶太「え?姉ちゃんですか??

姉ちゃんはまだ帰ってきてませんが...」



紫耀「じゃああなたさん帰って来るまで
待たせてもらっても良いですか?」



この男の行動力と強引さには

いつも驚かされるわ


弟くんは、わけがわからないまま

俺らを家にあげてくれた



家に入ると妹2人がいた

「双子ちゃん?」

同時に頷く2人


なに、この2人シンクロしてる!

むっちゃ可愛いんやけど!!!!


俺と紫耀は双子ちゃんと一緒に遊んでいた

弟くんだけ気まずそうに

何か言いたそうにソワソワしていた


それから2.30分程して宮城さんが帰ってきた

俺らを見てビックリしてた

そりゃそうだ

紫耀が彼女の前髪をあげて傷の確認をした


てか2人近ない??

顔数センチの距離やん

ほら、宮城さん耳まで真っ赤やん


それから家政婦を続けるか辞めるかの

やりとりがはじまった

紫耀の無茶苦茶な"なんで"攻撃に

彼女も困り果てていた


弟くんが、紫耀になんでそんなに

続けてほしいか聞いた







紫耀「なんでって...
あなたの作るご飯が美味しいから」





俺はその返答を聞いて

笑ってしまった


紫耀らしいと言うかなんと言うか


その言葉を聞いて

弟くんと宮城さんは紫耀に折れて

これからも家政婦を続ける事になった

宮城さんに、永瀬くんも何か言って!って

言われけど









「いいんちゃう?」











俺はこの時言ったこの言葉を

後から後悔する事になる












その後、弟くんの発言で

俺と紫耀は宮城さんの家で

ご飯を頂くことになった

紫耀が言った通り、彼女の作るご飯は

とても美味しかった

紫耀、完全に胃袋つかまれたんやな

でもこれだけ美味しいご飯なら納得するわ

ご飯をご馳走になったあと、

俺と紫耀は彼女の家を後にした




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