第32話

32.
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2021/03/09 23:06

みんなで平野紫耀の車に乗り込んだ

私の首の傷を気にして、
平野紫耀が首が隠れる上着を貸してくれた

かなり大きいけど、包帯よりも全然良い


運転は誰がするかで揉めていた

海人くんだけ免許がらないらしい

もちろん私も持ってない

結局ジャンケンして勝った人から順番に運転する事になった

最初は平野紫耀が運転する事になり

助手席に神宮寺くん
後部座席に私、海人くん、岸くんが座った


「あの〜、ドライブってどこまで行くの?」


紫耀「特に決めてない、だいたい田舎の方かな〜」

岸くん「俺ら大体いつもそんな感じだよね」


アバウトだな〜
でも男子ってこんなもんなのかな??


神宮寺「そういえば、なんで宮城さんが紫耀の家にいたの?」


紫耀「あー、今コイツ俺の家政婦なんだよ」


神宮寺「は!?どーゆー事??」


なんとなく彼は言い辛いと思ったので
私が説明した


「私この前大学で襲われて永瀬くんが助けてくれたんだけど、
その相手の男に実は前にも襲われた事あってさ。その時助けてくれたのが平野紫耀だったんだよねぇ」

「その男、私のバイト先で待ち伏せしてて
バイト辞めたら困る私を見かねて
平野紫耀が家政婦として雇ってくれたんだよね」


神宮寺「その首の傷ってもしかして...」

「そう、永瀬くんが助けてくれた時襲われた時の」

神宮寺「意識不明だったのって宮城さんだったの!?」


「まぁ、そんな大袈裟な話じゃないんだけど
首絞められて半日気失ってた感じ笑」


岸「え??めっちゃヘビーな...」


「永瀬くんが助けてくれなかったら多分私死んでたんじゃないかな??」


岸「すげーサラっと話すね宮城さん!」


「まあ、怖くて苦しかったけど
私生きてるし!それでオッケーでしょ」


神宮寺「宮城さんって凄いメンタルの持ち主...まぁ、最初に会った時から凄かったけど
ここまで凄いとは...」


紫耀「だろ??コイツしかも昨日退院したばっかなのに、暇だからとか言って俺んち来るんだぞ??
この女は俺の想像を越えてくる笑」


海人「男装までしてね笑」


岸「宮城さんスゲー」


神宮寺「あー、だからか。この前紫耀が仕事ほっぽり出したの笑」

岸「えー!!なになに!?マジで!?」

紫耀「ほっぽり出してねーし!!
ちゃんと時間までに帰ってきたろ!」


岸「え?なになに??どゆこと??」


神宮寺「岸くんには後で説明するよー笑」


横を見ると、やはり皆キラキラしている

皆顔の作りが素晴らしい

隣に座ってる海人くんがニコニコしながら話しかけてきた

海人「ねぇ、あなたちゃんって俺達の歌知ってる?」

私は彼らの職業は知ってるけど
正直歌は知らなかった

「ごめんね、実は知らないんだよね」

私は申し訳なさそうに言った


岸「じゃあ、今から俺らで歌って宮城さんに知ってもらえばよくない?」

神宮寺「い〜ね〜岸くん!」

そう言うと彼らは歌い出した

アカペラなのにみんな歌うまっ!!

申し訳ないけど、私はアイドルって歌が上手いイメージはあまりなかったんだけど
彼らはとても歌がうまかった


あれ、、、この曲なんか聞いた事あるな

「あ、この歌なんか聞いた事ある!!」

「私の弟が前家で歌ってた事あったかも!
え、待って!この歌って君たちが歌ってたの!?」


海人「そうだよ〜、俺たちのデビュー曲なの。この歌は紫耀が出てたドラマの主題歌だったんだよ!」


「ほんと?じゃあ今度時間ある時、平野紫耀のドラマ見ておくわ笑」


紫耀「ちょ!やめて恥ずかしい笑」


神宮寺「てかなんで宮城さんは紫耀の事だけフルネームで呼ぶの?笑」

「ん〜、なんでだろ。なんか私の弟も平野紫耀は平野紫耀で呼ぶからかな笑」


紫耀「度々出てくるお前の弟は何者なんだよ!お前相当ブラコンだな笑」


「なにさ悪い?うちの弟可愛いんだから!
しかも双子の妹もめちゃくちゃ可愛いんだからね!!」

海人「えー!?弟だけじゃなくて妹もいるの?しかも双子ぉ??」


「そーなの。私の教育のお陰でみんなメチャクチャ良い子で可愛いのよ」


海人「会ってみたいなぁ。双子の妹ちゃんとか絶対可愛いんだろうなぁ」



今まで、友達はカナしかいなかったし
常に忙しかったし興味もなかったから
こんな風に同年代の男の子達と
絡んだ事なんてなかったなぁ


車中はみんなで色んな話をした


途中でコンビニに寄って、飲み物とか買ったりしたり

みんなでしりとりとかしたり笑


正直に言うと、めちゃくちゃ楽しかった

つい数日前の事が、夢なんじゃないかって思うくらい

まだ出会って数回程度の
しかもアイドルの彼らと、こんな風にドライブするなんて
数ヶ月前の私では考えられなかったし
夢にも思わなかった








気がつけばずいぶん遠くまで来ていた

彼らは海に行きたい!とか言って



私たちは海にきた


もちろん浜辺には誰もいない


「海なんて来たの子供ぶりだわ」

神宮寺「ほんと?じゃー思いっきり楽しまなきゃね!!」


車から降りると、既に岸くんと海人くんは
はしゃぎながら浜辺を走ってる

その2人の後を神宮寺が見守るように歩く



「永瀬くんも来れればよかったのにね」


紫耀「廉はインドア派だからなー。
俺たちと出掛けるのは結構レアなんだよね」


ちょうど2人になったので
平野紫耀にバイトの事を言った

「あのさ、もうタツヤくんの事は解決したからさ
私またバイト始めようと思ってるんだよね」

「これ以上アンタに迷惑かけれないしさ」


平野紫耀は何も言わず黙っている

「アンタには凄く感謝してる。ありがとね。
それに意外にアンタの家居心地よかったし、なんだかんだ楽しかった...かな」


紫耀「じゃあさ、、、このまま家政婦としていればいいじゃん
その方があなたも時間に余裕が出来るし」


「でも、アンタに得な事ないじゃん?
お金ドブに捨てるようなもんでしょ」


紫耀「ドブって!笑
いや、あなたの作るご飯美味しいし
それになんだかんだ俺もあなたがいる空間、居心地良いんだよね」


そう言って平野紫耀が照れくさそうに笑った


なんか素直に凄く嬉しかった

彼は、いつも私に素直に直接気持ちを伝えてくれる


それが私にはたまらなく嬉しかった


「あー!!なんか嬉しい事言ってくれるね!
最近、ツイてない事ばっかりだったけど
なんか私、アンタ達と出会えてよかった!!」


紫耀「え?」


「今まで想像もしてなかったから。
こーやって私が友達みんなで出掛けたり
他の人と同じように楽しく過ごせるのが」


「キンプリのメンバー、みんな凄く素敵で良い人だね。私の周りには今までアンタ達みたいな人いなかったからさ」


紫耀「だろ?俺の仲間は最高なんだ。
あなたは今まで沢山我慢してきたんだから
これからは少しくらい肩の力抜いて
あなたの人生楽しまなきゃ」


そう言って彼はまた笑った


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