第7話

7.
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2021/02/16 07:00


「おはようございまーす」

酒井「あれ?宮城さん夜勤シフト?」

「あー、なんか店長から泣きながら電話きて、、、」

酒井「バイトの学生!今日急に辞めてさぁ、宮城さん来てくれて本当助かるー!」

この人はバイト先のコンビニ店員の酒井さん
40代の人の良いおじさんだ。


普段は基本昼勤なんだけど、人が足りないと店長から泣いて電話が来た為、断れなかった

基本的にやる事は昼勤と変わらないので
そんな苦ではなく、暇な時間帯は酒井さんと他愛もない話をしながら仕事をしていた

酒井「今いるお客さん帰ったら、宮城さん上がっても良いよ」

ポツポツとお客さんは来るけど
そんなに混む事もなかった為、酒井さんが気を使ってくれた


「お弁当温めますか?」

程よい笑顔でお客さんに聞く

あ、はいと小さな声で返事があったので
私はお弁当を温めて、その間に会計を済ます

「748円になりま『ブフォッ!!!』」

いきなり謎に吹き出したお客さん、
コイツなんか失礼だなと思い顔を見た

夜なのにサングラスしてマスクして
怪しさ凄まじいけど、
それでも隠れきれてないこのオーラ、、、


あ、、、

キンプリの人だ


紫耀「宮城さんwwwこんな所でなにしてるのwww」

「いや、普通にバイトですけど。
てかいきなり人の顔見て吹き出すとかメチャクチャ失礼ですよね。」


紫耀「いや、ごめんね笑
この前の印象があまりにも強烈で、、、あははっ」

彼はマスクの上からも分かるくらいに
全力で笑った

「この前、学校で永瀬君にも同じ事言われましたよ、笑いながら。
本当この前の事は忘れてください」


紫耀「いや、本当無理!!俺初めて女の子にボケって叫ばれたもん」

酒井「宮城さんお友達?ならもう上がっていいよ^_^ お疲れ様!」

酒井さんが謎の気を使ってきた

「いや、友達ではないですが、、、じゃあ酒井さん、お先に失礼します。あとお願いします。」

温め終わったお弁当を袋に入れて彼に渡す

「じゃあ、私もう上がりなので」


紫耀「じゃあ丁度いいじゃん。待ってるから着替えておいでよ^_^」


は?なんで??
何言ってんだこの人

「え、なぜに??」

紫耀「せっかく会ったし、外も暗いし。俺車だから送ってあげる」


「いやいやいや!!マジでいいですって!!」

私は全力で首を横にふる

紫耀「あはは、そんな首振ったらとれちゃうからっ面白いね宮城さん」












、、、そしてなぜか今私は彼の車にいる

断っても断っても彼は

紫耀「いいからいいから^_^」

と言いながら強引に私を車に押し込んだ

側から見たら拉致じゃんと思いながら
人通りが少ない為、通報してくれる人はいなかった


紫耀「宮城さん、家どの辺?」

助手席の私に向かって彼は聞いた

ま、、、眩しい。。。

さっきも思ったけど、サングラスにマスクなのに隠しきれないこの圧倒的なキラキラオーラ
顔が小さすぎだから、顔のほぼ全てがマスクで隠れてるのにも関わらず分かるイケメンオーラ

そしてしまいには物凄く良い匂いがする!!!


紫耀「家どこ?ってか何その顔w」

眩しすぎるので目を細めていた私

「いや、眩しすぎるから」

紫耀「え?今暗いけど??」

「いや違くて、あなた様が」

紫耀「え?俺??やっぱ宮城さんって面白いね」

そう言うと彼はくくっと笑った

紫耀「ねぇ、宮城さんって下の名前なんて言うの?」

「あなただけど」

紫耀「あなたね!あなたはこの前のバイトとコンビニ2つ掛け持ちしてるの?」

いきなり下の名前(しかも呼び捨て)で呼んできた

「いや、2つじゃなくて3つ掛け持ち。ちなみにこの前のバイトは単発だからそれ以外3つ」

紫耀「え!?マジで!?なんでそんなに働いてんの?廉と同じ大学にも通ってるんでしょ??」

「まぁ私のことなんて、なんだっていいじゃないですか」

いつもならなんて事ないのに
なぜか私は自分の家の事情を言いたくなかった
きっと、自分とはまったく正反対な人種に少しばかり劣等感があったんだと思う


紫耀「そっか。なんかあれだよね、本当あなたは今までの女と反応違ってて面白いわ
大抵の女は俺らと話すと嬉しそうなのに」


さすが現役人気アイドルグループのセンター自分で言っちゃってるよ


「そりゃそれだけ顔が良くてアイドルなら
女の子は嬉しいでしょうね、それはそれはオモテなんでしょうよ」


紫耀「まぁ、女には困ったことはないよね
だって俺から行かなくても向こうから来るから」

不敵な笑みでそう話す彼。
アイドルらしからぬセリフだ
永瀬くんとはエライ違いだなぁ

「まぁ私にはどーでもいい話ですけどね」

少し呆れながら答えた


紫耀「そーゆーあなたは?彼氏いるの?」

「人生1度もいたことありませんが!興味もなければそんな暇もない」

半分本当で半分嘘
本当は私だって興味がないわけではないし
彼氏欲しいと思った事はある
けど本当に時間がないし、出会いもない
そんな暇あるなら、兄妹達ともっと一緒の時間過ごしたい


紫耀「えっ!マジw??1度も?可哀想wじゃあ処女なのね?笑 スゲーwww」

なんだこの男、心の底から失礼なやつだ!
そして図星だ!私は処女だ


「今絶対バカにしたよね?私の事なんてどーだっていいでしょ!
アイドルなのに夜中に1人でコンビニ弁当買ってる人に可哀想とか言われたくないですぅ!
あ、家ここなんで!!送ってくれてどーも有難う御座いました!永遠にさよなら!」

丁度家に着いたので
私は捨て台詞を吐き車を降りて家に入った



紫耀「おもしれ〜」

彼がそんなセリフを言ってるとも知らずに
私はただただ腹がたった


























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