第46話

46.
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2021/04/02 01:09

はぁ、、、


なんかさっきの彼らのステージを見て

改めて自分のちっぽけさに気づいたとゆーか

自分に対してなんとも言えない虚しさを感じた





『おい』




聴き慣れたハスキーな声


振り向くと平野紫耀がいた



紫耀「なんでスタジオやここに来てんの?」


なんかいつもとは違う冷たい言い方で
胸がチクリとした


「いや、永瀬くんと海人くんに誘われて...」


紫耀「廉達と買物行ってその流れで?
その服廉が選んで買ってくれたんだろ?何?廉の事好きなの?」



この人は最近なんで、毎回私に永瀬くんの事聞いてくるんだ?


次平野紫耀に会った時
どんな顔して会えばいいんだろって悩んでたのに

私にあんな事しといて
そんな事まったく気にしない素振りで
私に話しかけてきて...


一体なんのつもりだ



なんか馬鹿馬鹿しくなってきた


「は?てゆーか私が誰を好きだろうと平野紫耀には関係ないじゃん」


私の発言に、あきらかに平野紫耀がムッとした顔をしたのが分かった


「私たち、もうすぐ帰るから」


そう言って立ち去ろうとした時


紫耀「ちょっと待てよ」


彼が私の腕を掴んだ





一瞬、、、

本当に一瞬なんだけど

いきなり掴まれた瞬間に
タツヤくんに襲われた時の事がフラッシュバックのように脳裏によぎった


「い...やめて!!!!」


私は平野紫耀の手を振り払い
その場にしゃがみこんでしまった


「あ...ごめ....ん」


平野紫耀はとても驚いたような顔をしていた














『...何しとん..??』









ふと見ると永瀬くんが立っていた



永瀬「紫耀、お前宮城さんに何したん?」



永瀬「宮城さん大丈夫か?」


そう言って永瀬くんは
私の方に駆け寄りやさしく手を差し伸べてくれた


「あ、大丈夫。いきなり話しかけられてビックリしただけだから」



永瀬「そうか。大丈夫?んじゃ行こうか」


永瀬くんは一瞬、平野紫耀を見てから

私に視線を戻し、いつものように笑顔になった







「あ...うん...」











一瞬見えた彼の顔は

とても悲しそうな表情をしていた...











胸が締め付けられるような
なんとも言えない気持ちのまま


私は彼を残し、永瀬くんとその場から去ってしまった



永瀬「紫耀に何かされたん?」




何かされたかと言えばされたけど



今のは完全に私が悪かったな...


凄く悲しそうな顔をしてた...



「なんもないよ。本当にただビックリして尻もちついちゃっただけだし笑」




永瀬「そか」











席に戻り、しばらく経っても平野紫耀が戻ってくることはなかった











岸「あれ?紫耀は??」



神宮寺「あー、なんか調子悪くなったから先に帰るって連絡きたよ」


海人「え〜紫耀大丈夫かな??」



私も永瀬くんも、無言になってしまった



カナ「え〜残念!!私全然平野くんと喋れなかったな〜」


カナ「なんか平野くん、テレビでの印象と違うんだね?天然っぽいと思ったけど
あんまそんな風には感じなかったなぁ」


岸「紫耀は実際、すごく男らしいしシッカリしてるからね」


神宮寺「天然ではあるけど、普段俺らといる時はどっちかとゆーとツッコミ役も多いからね」




私はさっきの平野紫耀の顔が頭から離れなかった


正直、服装の時も冷たい態度されたし

あんな事あっても普通に話しかけてきて

意味わかんない事言ってきて

ムカついたのが本音だけど


さっきのあの態度は完全に私が悪い



自分で気付かないうちにトラウマになっていた

あんな男と平野紫耀が被ってしまうなんて...


自分でも信じられないし
平野紫耀に対して凄く申し訳ない事をした




謝らなきゃ...






「ごめん、私用事思い出したから先帰るわ!!」




カナ「え?ちょっとあなた!?」





「カナ悪い!楽しんで!!
あ、神宮寺くんは大丈夫だと思うけど
岸くんと海人くん、カナには気をつけてね!
この女、友達だと良い奴だけど女としては色々とヤバいから!騙されないでね!」


「永瀬くん、カナ頼んだ!」


そう言うと私は急いで店を出た












行く前に電話、、、しようかと思ったけど

出てくれないかもしれないし

私もなんだか気まずいし

謝るなら直接謝りたいし、、、







電車を降り、平野紫耀のマンションの前まで来た



そう言えば今日は男装をしていない事に気づいた


ヤバいだろうか、、、

私は当たりを見渡して、誰もいない事を確認し
最善の注意をしながらマンションに入った




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