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第7話

可能性は死をも超越する
43
2021/05/29 13:08
前回のあらすじ

解読が終わった後、あなたが持ち出した宝石は、何と、鏡池と呼ばれる不思議な池のギミックの1部だった。
そして一行は鏡池の台座へと、その宝石をはめに向かった。
--------キリトリ線--------
レイカ
レイカ
さて、っと。
キラ
キラ
やって参りました鏡池ぇー
デート
デート
レボム、その台座があった場所って何処だい?
レボム
レボム
えーとな…(  ˙-˙)スッ
デート
デート
?どうしたんだい?
(なまえ)
あなた
あっ、レボムさんはこの池が濡れないし息も続くからって調子に乗って奥の深い所で泳いだせいで
(なまえ)
あなた
段差に頭をぶつけて伸びてたので、
(なまえ)
あなた
多分場所知らないと思いますよ?
デート
デート
(;´'-'`)ウワァ...幼稚園生?
キラ
キラ
ブッフォww
レボム
レボム
おい鬼羅笑うな!
あとデートもンな目で見んなよ!
⚠︎注意⚠︎
鏡池は円の形をしていて、中心が深く、外が足首位までの水位になっているよ!イメージはドーナッツ型。中心の穴が、深くなっているとこで、ドーナッツ本体(食べるとこ)が浅い所。
(なまえ)
あなた
でも、いくらこの池の中心が広いからって、普通やりませんよ?
レイカ
レイカ
私の幼馴染って、個性強いよねぇ。
キラ
キラ
ぅん?←言動や髪が猫(耳)になっている奴
デート
デート
(((¬_¬;) ススス…←自ら無理矢理霊華の付人になった奴(超絶過保護)
レボム
レボム
お前らなぁ。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。…。 …………………
もういいもん…。←霊華に対してメンヘラ拗らせ中
(なまえ)
あなた
あっ...(察し)←現在進行形で記憶喪失中
レイカ
レイカ
んで、台座何処だっけ?←無自覚天然タラシ
(なまえ)
あなた
(あれ?お姉ちゃんも個性強いんじゃ…)
レイカ
レイカ
あなた〜?大丈夫かぁー?
(なまえ)
あなた
あー…うん、取り敢えず反対側の端まで行こう
こうして、一同は立っていた場所から丁度反対の位置にある浅瀬の場所まで来ていた。
レボム
レボム
ンで、見付けた台座は?
(なまえ)
あなた
えーと確かここら辺に…………あぁ、ありましたよ
(なまえ)
あなた
この釦です
(なまえ)
あなた
これを押すと台座が出てき…
キラ
キラ
ちっちゃぁぁぁー?!
デート
デート
(´Д`)ハァ……でも、よく見つけられたね?こんなの、潜って探しても見つけられるか分からない位なのに……
一同はあなたに関心の目を向けた。その釦は一見するとただの石ころの様に見える程の大きさで、よく目を凝らさなければ、見つかる筈もないのだ。

………………1例を除いて、
(なまえ)
あなた
潜りましたもん
全員
はっ?
(なまえ)
あなた
いやだから、潜ったんですって。
(なまえ)
あなた
潜って目を凝らしていたら見つけたんです。
デート
デート
ちなみに聞くけど、
デート
デート
なんでそんな事したの?
レボム
レボム
σ(((;・ω・;;;)))ダラダラダラ
キラ
キラ
どったの〜レボム…
キラ
キラ
( ゚∀ ゚)ハッ!
鬼羅の跳ねた髪がぴょこんと動く。何かを思いついた様な顔をしたあと、ニマニマと笑いだし、レボムをつんつんとつついていた。
キラ
キラ
(^ΦωΦ^)
(´∀`*)ケラケラ
(*´∀`)σ)))))*3゚)
レボム
レボム
んだよ!さっきからっ!
キラ
キラ
いやぁ、気にしなくても良いんだよレボム……
レボム
レボム
はぁ?!
キラ
キラ
女の子にお姫様抱っこされた挙句、あなたに、
「あっ、レボムさんって、ただでさえ軽そうな見た目してるのに、その見た目以上に軽いんですね!ご飯食べてます?」
って言われたこと、気にしなくても良いんだよ
キラ
キラ
( ´థ౪థ)σ…………………wwwww
デート
デート
そんな事あったんだ………。
レボム
レボム
ちげぇよ!あん時はただちょぉっと不覚をとっただけであってだな?!
レイカ
レイカ
あっそれ事実なんだ…。
レボム
レボム
え゛
キラ
キラ
ちょっとオレ台座はめて来るねぇ!
レイカ
レイカ
私も行こうか?
キラ
キラ
いやあれ重いでしょぉ〜?オレなら持てるし、霊華はここで遊んどいて⸜( ´ ꒳ ` )⸝
キラ
キラ
(*ˊ˘ˋ*)。♪:*°
(なまえ)
あなた
綺麗に墓穴を掘って落ちましたね。
(なまえ)
あなた
あぁそれと、私が潜ったのは、頭をぶつけた衝撃で、レボムさんのヘッドホンが落ちて流されてしまって、これだとレボムさんの耳が潰れかねないからって私が探したんです。
デート
デート
あぁ、レボムって耳いいもんね。
レボム
レボム
そのお陰でヘッドホンしねェと、聞こえすぎて辛いけどな。特に水中とか人が多いとことか……
レイカ
レイカ
私は感が人より優れてるだけだから、特に害は無いな…
デート
デート
僕も、視力がいいってだけだから、偶に目が疲れるくらいで、そんなにかなぁ。
ガガガガガガガガガ
突如、あなた達が立っていた場所に地響きが起こる。
レボム
レボム
なになになになになに?!
レイカ
レイカ
お疲れ様〜
デート
デート
お疲れー
レボム
レボム
なんでそんなに冷静なの?!
レボム
レボム
ってか今の何?!
キラ
キラ
台座セット出来たよー!
レボム
レボム
お・前・の・仕・業・かァァァ!!!
キラ
キラ
いや、ポチ…(`・ω・´)ノ凸ってやって
キラ
キラ
ガコッってやっただけだから…
(なまえ)
あなた
なんか出ましたね(ガン無視)
レイカ
レイカ
真ん中の水が引いて、螺旋階段が出てきた……
デート
デート
そしてその先に扉があった……。
キラ
キラ
典型的な隠しダンジョン…
レボム
レボム
…………( ˙-˙)
レボム
レボム
やるなら言って………?(´TωT`)
全員
言ってたよ?/言ってましたよ?
レボム
レボム
(・д・。)
レボムは放心状態となり、残りのメンバーは我関せずと階段を降り始めた。
キラ
キラ
赤い毛玉はほっといて、先いこー←
デート
デート
そうだね←
(なまえ)
あなた
なんか緊張するなぁ。←
レイカ
レイカ
ははっ、確かにww←
レボム
レボム
ヾ(*ㅿ*๑)ツ( ゚∀ ゚)ハッ!
レボム
レボム
って俺は毛玉じゃ無い!無視されたくもない!
キラ
キラ
(*ΦωΦ*)ニュフッ
キラ
キラ
シャー ฅ(`ꈊ´ฅ)
レボム
レボム
あ゛?
キラ
キラ
キャーコワーイ(´∩ω∩`)(裏声)
レイカ
レイカ
おー( ๑´•ω•)۶ヨシヨシ
こうして、一同は巫山戯ながらも無事に池の底へ辿り着き、その扉を開けた。
ー隠しダンジョン内部ー
扉を開けた先、そこに広がっていたのは、高度な魔法がいく重にも張り巡らされている一室であった。

そこには、数多くの書籍が積み上げられており、机の上には多くの道具が散らばっていた。

一見するとただの研究室に見えるその場所は、そこにある道具や書籍が、そうではない、もっと重要な部屋であることを証明していた。

そこにあったものとは、

如月家の切札について
王国滅亡後の世の中について
紛失していたはずの先人が遺した手記

など、国家でも知らないであろう国家機密が数多く遺されていた。
デート
デート
………凄い。
キラ
キラ
あっこの文献、あっこれも!えーと、それとあれとコレと…
レイカ
レイカ
研究に使えそうなものばっかりだな。
それにこんな文献や考え方なんてあの書庫でも見たことない……。
レボム
レボム
この時代はコンピューター無かったなずなのに…
レボム
レボム
ここ迄の技術なんて
すると、あなたがフラフラと、何かに惹かれるように、ある場所へと進んでいた。
まるで何処に、何があるのかを知っているかのような行動に、霊華を含むメンバー達は違和感を感じた。
(なまえ)
あなた
あった………
デート
デート
何か見つかったかい?
(なまえ)
あなた
やっぱり……
(なまえ)
あなた
やっぱりそうだ……。
レボム
レボム
えっ、ちょいあなたどうした?!
(なまえ)
あなた
隠しダンジョンには!!
レボム
レボム
Σ(꒪◊꒪ ;)
(なまえ)
あなた
秘密通路や、隠し部屋が!!!
(なまえ)
あなた
あるんですよ!!!!
デート
デート
えーっと?
(なまえ)
あなた
あったんですよ!
レイカ
レイカ
あっほんとだ、ここ壁じゃない。
元々壁の様に見えるその場所を霊華が触れようとすると、その手はスカッと壁の中に吸い込まれる。
手を上下に動かして見た結果、どうやらそこは、人が2人並んで入れるくらいの幅である事がわかった。
レイカ
レイカ
それじゃぁ、私はこの先も調べてくるよ。
キラ
キラ
んじゃオレも〜!
そう言い、霊華は壁をすり抜けて、奥へ進んでいった。そして、他の面々も続こうとした…。
しかし
(なまえ)
あなた
ああっ!私も行きますからね?!
トンっ
キラ
キラ
え?
(なまえ)
あなた
どうしました?…先行ってますよ?
キラ
キラ
あちょっ!!
キラ
キラ
……………行っちゃった。…どうしよ…
レボム
レボム
どーかしたのか?
デート
デート
早く行かないと、見失うぞ?
キラ
キラ
…………行けない
レボム
レボム
はぁ?
キラ
キラ
試しに触って見なよ。
2人
あっホントだ…
先程鬼羅があなたを止めたのは、自分が入れなかったから。しかし、あなたも霊華も向こうへ行ってしまった今、最早連絡する手段も、無事か否かを確認する手段がない。
デート
デート
これは待つしかないね…
流石のデートも苦笑する。
ただ、一見するととても落ち着いて行動しているこの残されたメンバー達のその本心は、結構荒れていたのであった。
ー神殿ー
一方その頃、場所は変わり、霊華とあなたは神殿にたどり着いていた。
(なまえ)
あなた
うわぁー!綺麗!
レイカ
レイカ
にしても、随分とまた境界チックな…
(なまえ)
あなた
境界?
レイカ
レイカ
あぁ、境界って言うのは、文字通り、この世とまた別の場所を繋ぐ境目の場所なんだ。
レイカ
レイカ
……ん?
(なまえ)
あなた
お姉ちゃん?
レイカ
レイカ
鏡池は確か、濡れないんだったよな?
(なまえ)
あなた
えっ?うん、そう、だけど…
レイカ
レイカ
境界って言うのはな、必ず何かしらの物質やエレメントがある。
レイカ
レイカ
例えば、黄泉…死後の世界なら水。地獄なら炎。とか、色々あるんだけど、
レイカ
レイカ
その全てに当てはまる特徴…………ってのが
2人
その物に触れても全てその物質の効果が出ない
レイカ
レイカ
…驚いたな。
レイカ
レイカ
これは限られた術士にしか教えられないはずなんだが…
(なまえ)
あなた
えっ?いや、なんか口からポロッと出ただけで…
(なまえ)
あなた
えっ?要は、炎に触れたら熱くなかったり燃えなかったりして、
(なまえ)
あなた
水に触れたら濡れなかったり、冷たくないって事?
レイカ
レイカ
まぁそういう事
あなたは考える素振りを見せる。そして、何かを思いついた様な顔でバッと顔を上げ霊華を見た。
(なまえ)
あなた
水って、鏡池は濡れない水じゃないですか!
(なまえ)
あなた
ここの床も水あるし、濡れてない!
レイカ
レイカ
まぁ、境界じゃなくても、こうなる所はあるし…
(なまえ)
あなた
いや!ここは死界の入口です!
(なまえ)
あなた
この先をまっすぐ行ってその先に…
あなたはブツブツと何かを言いながら進んでいく。霊華はそれを困惑した表情で見つめながらついていく
レイカ
レイカ
あなた?どうした?なんでそんなに知って…
??
おや、お客さんですか?
2人が辺りを見回すと、白かった空間は黒くなり、辺りには、大小バラバラの人魂のようなものがふよふよと浮いていた。
そして、そこに立つ女性が1人
霊華は咄嗟に身構えて、辺りに文字盤を浮かせる。これは霊華が生まれ持った魔法。時を操り、時計の文字盤を動かす事で、空間自体の時をも操る事が出来る。
対して、あなたは何もしなかった。まるでその人物が危険でないと理解しているかのように。
??
ちょっと!?私は何もしませんよ?!
レイカ
レイカ
そんなもの信用出来る訳ないだろう?
第一、ここは何処なんだ?
(なまえ)
あなた
ちょっとお姉ちゃん落ち着いて!
??
…まぁ、こんなご時世です。警戒もしますよね。
??
改めて、ここは死界と呼ばれる場所です。
??
如月家の人間なら、聞いた事はあるのでは?
レイカ
レイカ
何故……私が如月家の人間だと?
霊華は警戒心をより強め、その女性を見た。すると、その女性は、「なんだ知らないのか」と言いたげな顔で霊華を見る。
??
ここは、如月家の人間しか入れない結界の中なんです。現に、貴女のお連れさんはここへ来れていないでしょう?
それを聞いた2人は困惑した表情で顔を見合わせる。何故なら、霊華はともかくとして、あなたは、霊華が拾ってきた少女。当然、麗華の記憶にも居ない人物だし、これまでの家系図や祖先、親戚関係諸々あなたと同じ名の者は居ない。
そもそも、あなたは記憶喪失で自分の名前と年齢位しか覚えていないのだ。彼女がどこの誰で、どんな家族構成だったか、どんな友人関係があったかなんてそんなものわかる訳が無い。
だから、此処に入れるはずが無い。

それをあなたと霊華は女性に伝えた。
??
(;-ω-)ウーン……でも、確かに私はそういう結界を張ったんですよ?
??
うちの人間以外にこれを悪用されては困りますし…
レイカ
レイカ
これって?
??
このカード達ですよ。
(なまえ)
あなた
それって!
その女性が手にしていたのは、4つのカードケースと、トランプの役が描かれたカードと、キング、クイーン、ジャック、エースの模様が描かれたカードだった。
??
お察しの通り、これは如月家に伝わる切り札。私の王は、これのせいで狂い、地獄へ落ちた…。
??
いいえ、私が落としました。
レイカ
レイカ
王…って…………まさか貴女は!
??
はい!如月家当主。あー今は貴女が当主ですので、初代当主…で、いいんですかね。
??
如月 華蓮 と申します!
(なまえ)
あなた
じゃぁ王って…
??
はい、今は亡き王国の王です。
??
ただ…
そう言うと女性…初代は、バツが悪そうな顔をして俯く。
(なまえ)
あなた
ただ?
??
あの国が滅んだのは王のせいなんです。
レイカ
レイカ
なっ!?
(なまえ)
あなた
………
すると、初代はぽつりぽつりと話し始めた。

昔、王がこの隔離された先、一般的に普通と呼ばれる世界についての書物を読んだ時、ふと、この世界は必要なのかと考えた。元来、この国や、その近辺の都市は、魔法と呼ばれる非現実的なものがあって、それがある為に、世界から隔離された。その中では、魔法での争いは絶えず、血で血を洗うような事ばかり。王がおさめているこの国も、王が死ねばそうなる。そんな世界が、果たして必要なのかと、王は考えたわけだ。

そしてその考えを思いついたが最後、思い立ったが吉日とばかりに、死界から人の憎悪やそれを含めた負の感情から出来た生命体を作り出し現世に送り出した。

また、人々から生への縁を断ち切り、経済の循環を悪くさせ、人々が死んでいくように仕向けたのだと。
そして、王国はおろか、周りの国々も崩壊させ、消し去ったのだと。
レイカ
レイカ
待って?じゃぁなんで今ここにこの土地が…
??
それは、私が時を戻したの。
文字通り❛命懸け❜でね
(なまえ)
あなた
その後王はどうなったんですか?
??
私が死ぬ前、頑張って此処に引きずり込んで、地獄への門を開いてその中にポイ。
(なまえ)
あなた
えぇ…
レイカ
レイカ
まぁ、それで死んだんだから結果オーライ?
??
いや、多分死んでない。
(なまえ)
あなた
はい?!
??
彼奴はこのカードの力を持っていた。私が取り上げたにしろ、ちょっと無茶すれば、死界で生き残るなんて簡単に出来るはず…
??
だから、あなた達に頼みたいの。私は直にここを制御できなくなる。だからこのカードを使って彼奴を殺して欲しい。
??
もし彼奴が死んでいて、何も無ければ、その力は好きに有効活用して?…でももし、
??
もし、その力を得た時に、得体の知れない生命体が発生したら、それはあの王が創り出した負の感情からできた化け物。全力でこの国を潰しにかかってくる。
??
あいつと一緒にね。
??
だからその時はお願い。彼奴を殺して倒して
先代は真剣な表情で二人を見る。その顔は後悔と申し訳なさでいっぱいだと言っているかの様だった。
レイカ
レイカ
そんな大役を私が…
??
えぇ、貴女にはこの国を、世界を救う覚悟はある?
レイカ
レイカ
……
霊華は俯き、肩を震わせる。それをあなたと先代は見つめていた。
(なまえ)
あなた
大丈夫?
??
無理に決断しろとは言わないが、こちらも時間が無いんだ。あとちょっとしか持たないけど…
レイカ
レイカ
いや、いいよ。
(なまえ)
あなた
でも震えて……。
すると麗華は顔を上げてハッ っと笑い、挑発的な笑みを浮かべた。
レイカ
レイカ
そりゃ震えるだろう?こんな大役を務めることなんて人生でここ以外ない!それに、あの国の連中馬鹿どもに一泡ふかせられるチャンスだろう!
レイカ
レイカ
世界を救う?大役?上等よ!やってやるわ。
レイカ
レイカ
その前に1つ聞きたい事があるのだが…
??
何かしら
レイカ
レイカ
私が読んだ古文書は、その生命体が王の力を妬んだものの感情が具現化したものとあった。
??
それは、彼奴が、そんな負の感情をも利用したからよ
レイカ
レイカ
…なるほど…。
??
そろそろ時間ね。
??
…あぁそうだ。これは野暮かもしれないけれど、そこの少女…あなたと言ったかしら?
(なまえ)
あなた
えっ?私?
??
貴女の記憶は、おそらく、自分で封じたものよ。
??
貴女は何かを失った。とても大事な何かを。
ごめんなさい。力が弱まって、うっすらとしか見えないから、断言はできないわ。
??
でも、貴女はいくつもの可能性を作っていた。それで色々なことをしていた…のだと思う。
若しかすると、あなたの魔法は可能性を操るのかも。
??
可能性は死をも超越する。ってね?
そう言うと、先代は二人を押し飛ばし、扉のようなものをくぐらせた。先代の周りは地響きが起こり所々崩れかかっている。
レイカ
レイカ
ちょっと!
(なまえ)
あなた
先代さん?!
先代は微笑み、霊華を指さした。
??
貴女がカードを手にすれば、ここも元どうりになるわ!今は、所有者である私が消えかけているから崩壊しかけているだけ!でも覚悟を決めなさい!スペードのカードを手にすれば、その者は…
そこで、2人の視界は白くなった。
死界との境界へ戻ってきてしまったのだ。
麗華は唖然とする。
レイカ
レイカ
最後のは一体…。
レイカ
レイカ
あれ?あなた?
霊華の視線の先には、しゃがみ込んだままのあなたがいた。
レイカ
レイカ
どうした?
レイカ
レイカ
やっぱりさっきの記憶についてか?
あなたはボソボソと呟き始めた。
(なまえ)
あなた
先代さんは、私が、可能性を操るのかもって言ってたよね。
(なまえ)
あなた
その時、確かに私は そんなこともあったな って思ったの。
(なまえ)
あなた
私には、教会で育った記憶しかない。でもそれも数ヶ月前の事。それまではどう過ごしていたかわかんない。幸せだったけど、それもあの日崩れた。
(なまえ)
あなた
あの教会の近くにも同じような教会があって、私が見つけられた数日前に潰れたって聞いたから、私は教会で育った孤児なんだと思ってた。
レイカ
レイカ
うん
(なまえ)
あなた
でもね?さっき先代さんがあの崩壊しかけている場所から私たちに笑いかけた時、なんか変な映像を見たの。
レイカ
レイカ
どんな映像?
(なまえ)
あなた
はっきりとは思い出せないけど、男の人だった。周りは炎が轟々と燃えてて、その人が目の前に居た。その人は悲しそうな顔で私を見てて、全身ボロボロで…後ろには大量の血みたいな赤いの塊が何ヶ所かあった。
(なまえ)
あなた
その人は何かを言ってたんだけど、何を言ってたかわかんなくて…でも何故か悲しくて……
レイカ
レイカ
そっかぁー。あなたが背負ってるものは、存外、大きなモノなのかもしれないね。
レイカ
レイカ
それこそ、記憶を失う程の大きなモノが…
(なまえ)
あなた
うん……
霊華は話を変えるように、パン っと手を叩いて、立ち上がりあなたに笑いかける。
レイカ
レイカ
まぁ、あなたの記憶は、おいおい取り戻しましょう!
レイカ
レイカ
何かあれば、私も支えになるから。
思い出せたら、その荷物は半分持ってあげる。
……さっきも言った通り、その荷物は、あなたが背負うには重すぎる程のものみたいだしね!
(なまえ)
あなた
…ありがとう、お姉ちゃん!
レイカ
レイカ
んじゃ、さっさと合流しましょう!
ちょっと死界も気になるしね?
そう言って、2人は来た道を戻り始めた。



ここから、運命の歯車は動き出す。
その先にあるのは、破滅か、救いか。
それはきっと、彼女たちにかかっている…
--------キリトリ線--------
さぁ、やっと一区切り着いたぜ(((((((((

さて、次回、
カード割振り

先代が言おうとしていたのはなんなのか。
それぞれがどの役に着くのか?
(設定に書いたけど)今明らかになる。
それではまた次回!
(今回長くてごめんね?)

プリ小説オーディオドラマ