前回のあらすじ
解読が終わった後、あなたが持ち出した宝石は、何と、鏡池と呼ばれる不思議な池のギミックの1部だった。
そして一行は鏡池の台座へと、その宝石をはめに向かった。
--------キリトリ線--------
⚠︎注意⚠︎
鏡池は円の形をしていて、中心が深く、外が足首位までの水位になっているよ!イメージはドーナッツ型。中心の穴が、深くなっているとこで、ドーナッツ本体(食べるとこ)が浅い所。
こうして、一同は立っていた場所から丁度反対の位置にある浅瀬の場所まで来ていた。
一同はあなたに関心の目を向けた。その釦は一見するとただの石ころの様に見える程の大きさで、よく目を凝らさなければ、見つかる筈もないのだ。
………………1例を除いて、
鬼羅の跳ねた髪がぴょこんと動く。何かを思いついた様な顔をしたあと、ニマニマと笑いだし、レボムをつんつんとつついていた。
ガガガガガガガガガ
突如、あなた達が立っていた場所に地響きが起こる。
レボムは放心状態となり、残りのメンバーは我関せずと階段を降り始めた。
こうして、一同は巫山戯ながらも無事に池の底へ辿り着き、その扉を開けた。
ー隠しダンジョン内部ー
扉を開けた先、そこに広がっていたのは、高度な魔法がいく重にも張り巡らされている一室であった。
そこには、数多くの書籍が積み上げられており、机の上には多くの道具が散らばっていた。
一見するとただの研究室に見えるその場所は、そこにある道具や書籍が、そうではない、もっと重要な部屋であることを証明していた。
そこにあったものとは、
如月家の切札について
王国滅亡後の世の中について
紛失していたはずの先人が遺した手記
など、国家でも知らないであろう国家機密が数多く遺されていた。
すると、あなたがフラフラと、何かに惹かれるように、ある場所へと進んでいた。
まるで何処に、何があるのかを知っているかのような行動に、霊華を含むメンバー達は違和感を感じた。
元々壁の様に見えるその場所を霊華が触れようとすると、その手はスカッと壁の中に吸い込まれる。
手を上下に動かして見た結果、どうやらそこは、人が2人並んで入れるくらいの幅である事がわかった。
そう言い、霊華は壁をすり抜けて、奥へ進んでいった。そして、他の面々も続こうとした…。
しかし
トンっ
先程鬼羅があなたを止めたのは、自分が入れなかったから。しかし、あなたも霊華も向こうへ行ってしまった今、最早連絡する手段も、無事か否かを確認する手段がない。
流石のデートも苦笑する。
ただ、一見するととても落ち着いて行動しているこの残されたメンバー達のその本心は、結構荒れていたのであった。
ー神殿ー
一方その頃、場所は変わり、霊華とあなたは神殿にたどり着いていた。
あなたは考える素振りを見せる。そして、何かを思いついた様な顔でバッと顔を上げ霊華を見た。
あなたはブツブツと何かを言いながら進んでいく。霊華はそれを困惑した表情で見つめながらついていく
2人が辺りを見回すと、白かった空間は黒くなり、辺りには、大小バラバラの人魂のようなものがふよふよと浮いていた。
そして、そこに立つ女性が1人
霊華は咄嗟に身構えて、辺りに文字盤を浮かせる。これは霊華が生まれ持った魔法。時を操り、時計の文字盤を動かす事で、空間自体の時をも操る事が出来る。
対して、あなたは何もしなかった。まるでその人物が危険でないと理解しているかのように。
霊華は警戒心をより強め、その女性を見た。すると、その女性は、「なんだ知らないのか」と言いたげな顔で霊華を見る。
それを聞いた2人は困惑した表情で顔を見合わせる。何故なら、霊華はともかくとして、あなたは、霊華が拾ってきた少女。当然、麗華の記憶にも居ない人物だし、これまでの家系図や祖先、親戚関係諸々あなたと同じ名の者は居ない。
そもそも、あなたは記憶喪失で自分の名前と年齢位しか覚えていないのだ。彼女がどこの誰で、どんな家族構成だったか、どんな友人関係があったかなんてそんなものわかる訳が無い。
だから、此処に入れるはずが無い。
それをあなたと霊華は女性に伝えた。
その女性が手にしていたのは、4つのカードケースと、トランプの役が描かれたカードと、キング、クイーン、ジャック、エースの模様が描かれたカードだった。
そう言うと女性…初代は、バツが悪そうな顔をして俯く。
すると、初代はぽつりぽつりと話し始めた。
昔、王がこの隔離された先、一般的に普通と呼ばれる世界についての書物を読んだ時、ふと、この世界は必要なのかと考えた。元来、この国や、その近辺の都市は、魔法と呼ばれる非現実的なものがあって、それがある為に、世界から隔離された。その中では、魔法での争いは絶えず、血で血を洗うような事ばかり。王がおさめているこの国も、王が死ねばそうなる。そんな世界が、果たして必要なのかと、王は考えたわけだ。
そしてその考えを思いついたが最後、思い立ったが吉日とばかりに、死界から人の憎悪やそれを含めた負の感情から出来た生命体を作り出し現世に送り出した。
また、人々から生への縁を断ち切り、経済の循環を悪くさせ、人々が死んでいくように仕向けたのだと。
そして、王国はおろか、周りの国々も崩壊させ、消し去ったのだと。
先代は真剣な表情で二人を見る。その顔は後悔と申し訳なさでいっぱいだと言っているかの様だった。
霊華は俯き、肩を震わせる。それをあなたと先代は見つめていた。
すると麗華は顔を上げてハッ っと笑い、挑発的な笑みを浮かべた。
そう言うと、先代は二人を押し飛ばし、扉のようなものをくぐらせた。先代の周りは地響きが起こり所々崩れかかっている。
先代は微笑み、霊華を指さした。
そこで、2人の視界は白くなった。
死界との境界へ戻ってきてしまったのだ。
麗華は唖然とする。
霊華の視線の先には、しゃがみ込んだままのあなたがいた。
あなたはボソボソと呟き始めた。
霊華は話を変えるように、パン っと手を叩いて、立ち上がりあなたに笑いかける。
そう言って、2人は来た道を戻り始めた。
ここから、運命の歯車は動き出す。
その先にあるのは、破滅か、救いか。
それはきっと、彼女たちにかかっている…
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さぁ、やっと一区切り着いたぜ(((((((((
さて、次回、
カード割振り
先代が言おうとしていたのはなんなのか。
それぞれがどの役に着くのか?
(設定に書いたけど)今明らかになる。
それではまた次回!
(今回長くてごめんね?)
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。