事務所に行く時は大和の部屋から出て大広間というかリビングみたいな所を見たんだけど……
やっぱ人数集まると騒がしい。
こんな堅苦しい挨拶でいいのだろうか。
カラフルな髪色が集まり俺に目線が集まっている。
なんか怖い。
みんな個性があって、覚えやすい。
とにかく陸くんは元気。
それで逢坂さんは落ち着いていて大人って感じがする。
みんな揃って頷く。
閉じ込めていたって家にか?
しかも21歳の男を?
冷たくなりつつあった空気を暖かくするように和泉さんが笑いかけた。
それに皆反応し、いつの間にかいつもの笑顔に戻っていた。
やっぱりIDOLiSH7のメンバーはどこか怖い。
皆なにか欠けているような、もちろん仲はいいんだけど。
ひとまず明日の事を考える事にした。
今日も大和の部屋で寝ることになり、大和の部屋に戻る。
静かな部屋に微かな寝息が聞こえた。
大和だ。
本を読んでいるといつの間にか部屋のソファで寝こけている大和。
幼馴染とあってか昔の話で俺の弱い所をついてくる。
頭も切れて演技も昔から上手かったからな……
そのまま何も言い返せず黙っていた。
俺だって大和の弱い所ついてやる!
そんな事を考えながらも大和に話を振った。
顔色一つ変えない大和。
にんまりと大和が笑うと、逃げようとしていた俺の腕を掴んだ。
油断した隙に大和の上に座らせられた。
軽いセクハラじゃないのか……?
しかも俺、男だぞ?
こいつ正気なのか?
大和にがっちりホールドされていて抜け出せない。
俺がなにかしない限り解放してくれないらしい。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。