第22話

九条
826
2018/06/19 21:49
九条天
九条天
九条さん、もしかしてあの子を……
九条鷹匡
九条鷹匡
出来れば養子にしてあげたいくらいだけどねぇ……彼の母親は頑固だからきっとそうは出来ないだろう
きっと、あの子を気に入ったんだ。
九条さんは何を目指しているんだろうか……
その時、九条さんの電話が震えた。
画面には非通知の文字。
九条鷹匡
九条鷹匡
もしもし、
あなた
あなた
もしもし、九条さんですか……
九条鷹匡
九条鷹匡
(やっぱり思った通りだ…)
泣いて掠れた声で電話をかけてきた。
恐らく、二階堂大和との溝が更に出来てしまったか。
九条鷹匡
九条鷹匡
私の所に来てくれるのかい?
九条天
九条天
なっ、来ないでいい!えっと……IDOLiSH7のマネージャー!
慌てて九条さんの電話に言う。
こっち側に来てはいけない。
もう元には戻れなくなってしまうから。
あなた
あなた
はい、もうここにはいられない……から
九条天
九条天
いられない……って……
不安が募るばかりだった。
この事をIDOLiSH7の誰かに教えるべきか。
でもなんで、こんな事に…?


·
部屋の荷物をバックにつめた。
皆にはまだ話せないでいるけど、きっと何も言わずに出ていくことになる。
二階堂大和
二階堂大和
お前が出ていくのか?
あなた
あなた
……うん、ごめん……
それ以上、会話もなく荷物を持ち部屋から出て行った。
ちょうど皆がいない時を見計らって。
大神万理
大神万理
あなたくん、本当に行っちゃうの?
あなた
あなた
すみません、これ以上はいれないです。
俺が凄く惨めに思えて大和まで拒否し始めたらもう……
大神万理
大神万理
そっか、君を止める理由は俺はないし皆も賛成してくれているなら大丈夫なんだけど……
ちゃんと皆に話した?
その時、目の前に車が止まった。
高級そうな車の窓が開く。
九条天
九条天
……早く乗って
あなた
あなた
すみません………俺もう行きますね
大神万理
大神万理
あ、ちょっと!
振り返りもせず、車に乗った。
すぐさま車は動き出す。
万理さんの声が聞こえていたけど今は聞きたくなかった。
本当にこれが正しい選択なのか、
和泉一織
和泉一織
………あなたさん?


·
九条天
九条天
今日からあんたは俺の世話係になってもらう。
あなた
あなた
世話係……?
九条鷹匡
九条鷹匡
今君が芸能界に出ていけばIDOLiSH7が騒動を起こす。
それを避けるための手段だよ。
理と同じようにゼロを超えるアイドルに……
隣には天さんが座っていたけど、やっぱり笑う事は1度もなかった。
車内は静かで沈黙が続くのみだった。
気がつけば、あまり知らない場所に来ていた。
九条天
九条天
ちょっと、なにそわそわしてるわけ?
あなた
あなた
ちょっと緊張してきちゃって……
そう言うと頬をつねられた。
緊張するな、という意味なのだろうか。
車を降り、家に入る。
九条鷹匡
九条鷹匡
うーん、そうだね。
部屋が今ちょうどないんだ。
天と一緒でもいいかな?
九条天
九条天
……僕は嫌です
九条鷹匡
九条鷹匡
じゃあ、理と同じ部屋に……
九条天
九条天
僕と一緒の部屋で大丈夫です
よっぽど俺が嫌いなんだなぁとつくづく思う。
これから俺はどうなるんだろう。
IDOLiSH7の皆にちゃんと伝えてない、それにまだメールアドレスもLINEもあるから連絡がいつきてもおかしくない。
九条天
九条天
部屋、案内するから着いてきて
あなた
あなた
うん……

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