重岡side
夏祭り以来俺はあなたとあんまり話せないまま
夏休みを迎えた。
だってあなたと神ちゃんは付き合っとるんやろ。
そんなん俺が邪魔したらアカン思って。
そんなん思って一日中部屋でゴロゴロしてたら
もう少しで夕方のチャイムが鳴る時間。
ピンポーン
重岡母 「大毅ー!!ちょっとお母さん手が離せないから出てくれるー!?」
誰やろ、、
ガチャッ
重岡母 「あら!あなたちゃんやない!」
重岡母 「だって大毅戻ってくんの遅いから」
重岡母 「まぁそんな事は気にせず!!家にあがって!」
重岡母 「いいのよいいのよ~!!」
重岡母 「だって毎年2人でやってる花火まだしてないでしょ?」
重岡母 「覚えてるに決まってるじゃない~!
毎年2人の写真撮ってるんだからっ!」
重岡母 「当たり前やん~!!」
重岡母 「え~そうかな…」
重岡母 「ほんま~?嬉しいわ~!」
重岡母 「じゃあちょっと花火取ってくるから待っててな~」
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俺は安心してその場で座り込んでしまった。
とりあえずあなたと神ちゃんが
まだ付き合ってない事に凄く安心した。
俺にもまだ約半年間チャンスはある。
頑張らな。
重岡母 「ごめんな~なかなか見つからんくて~!」
その後俺たちは花火をして
そして、毎年撮っていた2人の写真を
俺のオカンに撮ってもらった。
重岡母 「後片付けは私がやっとくから
大毅はあなたちゃんの事送っていってあげて~!」
夏休み…あなたと一緒に出掛けたいなぁ…
思い切って誘ってみるか?
いやいや…
とか考えとったらすぐにあなたの家に着いた。
これ今言わんかったら俺後悔するんとちゃうんか…
よし!言ってみるか!
俺がそう言うとあなたは少し
照れくさいような感じで
そんなあなたも可愛く見える。
と俺が超どストレートに言うと
あなたは顔を真っ赤に染めていた。
そして俺は良いことを思いついた。
と俺はウキウキルンルンで家に帰った。
その後…
あなたside
私はその場に座り込んでしまった。
大毅は昔から照れ屋で「好き」などの言葉が
恥ずかしくて言えへんかった。
けど…なんなん今の。
私と居るのに「好きな人と!」とか
「安心した」とか。
私が今まで見てきた大毅とはまるで別人だった。
あの可愛らしく、私の名前を呼び捨てで
言うだけでも恥ずかしがっていた
大毅とは裏腹になんでも素直に言う
大毅に変わっていた。
私はそんな慣れない大毅にあんな事を
言われたのを思い出して
顔を真っ赤にしてしまい
しばらく外で涼しむ事にした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。