第2話

嫉妬
37
2020/11/25 22:54
優
よんだ?
優しくて柔らかい声。
拓
ゆっ優!?
拓は驚いて優をみつめる。
優
拓、明日は一緒に帰ろうね
優は拓の目を真っ直ぐ見つめて言う。
拓は嬉しくてでもどこか引っかかるような気持ちだった。
拓
別に、いいよ。いつもみたいにあの女と帰れよ。
思ってもいない言葉が口からこぼれる。
本当は一緒に帰りたい。
梨々香と帰らないで俺と帰って。
そんな事を伝えたいはずなのに。
優
ごめん、最近一緒に帰れなくて
そう言いながら目をそらす優。
本当に反省しているようだった。
拓
別に気にしてねーよ、お前が誰と帰ろうとどーでもいいし…。
優の方をチラッとみる。
優はまだ目をそらしたままだ。
優
そっか。
拓
てかなんで追いかけてきたんだよ。
優
なんか拓、最近元気ないから何かあったのかと思って。
拓
(気にしてくれてたのか…)
拓
はあ?何言ってんだよ絶好調だ、心配すんな
そう言って拓は歩き出す。
いつもより早歩きになってるのが自分でも分かった。
優のそばに居たら胸の奥が苦しくなる。
その感情にどうしても馴れない。
いつも優と別れる分かれ道。
拓は何も言わずにまがる。
優
拓。
小さく聞こえた優の声にさらに胸の奥が苦しくなった。
この気持ちを言葉に表すとするとおそらく「嫉妬」だろう。
拓
俺なんで嫉妬なんかしてんの、
まあ優は特別っちゃ特別だけど、
拓
って俺何言ってんの??
嫉妬なんかしてねーよ!?
多分…。

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