あれから数日。
君のからかい方は、意地悪になった。
私が好きって知ってる癖に
君はとぼけた顔で私をからかう。
プレゼントあげようか?
欲しいものなに?
何色が好き?
君はそうやってまた私に期待させる。
付き合ってあげようか と言われた時は本当に嬉しかった。
けれど、からかう君だから 冗談かもって思って反応を待った。
『なーんてね』
ほらやっぱり。そう言いながら、もしかしたらを願ってしまう自分がいる。
君からそうきた、私は冗談かもと思いながらも
願いを込めて返信する。
そう言った。
なれるなら彼女になりたい。
そういう思いを込めて送った。
けど、君は変なところが鈍感だ。
そういうことを言いたいんじゃない。
おもわず、言ってしまうとこだった。
まぁ、言ったところで聞いてる人なんて誰もいないけど。
うんって言いたい。
付き合いたいって言いたい。
彼女にしてって、でも。
なれないって思ってしまう。
そして、君も ある意味。期待を裏切らない。
ほらね。こういう期待は裏切らない。
だけど。
だけどさ、今のは裏切って欲しかった。
君と いくらLINEをしても。
君に しつこいほど電話をされても。
君が好きって言ってくれても。
私の喜ぶことを言ってくれても。
周りから 見たら良さそうでも。
見た限りでは近づいているはずなのに。
どんどん遠ざかっているように感じるんだ。
そう思うと すごく寂しくて、すごく虚しい。
LINEでは笑ってるけど、私は今。
酷い顔をしているんだよ、君はそれに気づいてる?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。