第4話

君がかけた魔法
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2020/01/04 02:51
保体、技術、家庭科のテストを1時間でやった。





疲れたなぁ。
そんなことを考えながら帰ろうとしていた。










私は1番右の列の前から二番目の席だ。
後ろの扉に行くのがめんどくさくて前の扉から教室を出た。














私は前の扉から教室を出たことを

すぐに後悔することとなった。











今泉 綾乃
だーかーらっ!なんでって聞いてんの!!
中原 莉子
知らないよー!そんな気になるなら本人に聞けばいいじゃん。
今泉 綾乃
知ってんでしょ?!
中原 莉子
だから〜!
その時。莉子ちゃんが私を見た。
中原 莉子
本人のあなたちゃんが後ろにいるんだから聞けば?
なんだろう。今までの感じからして良い話ではない。




綾乃ちゃんは私に 付いてきて というと隣のクラスの前まで移動した。





私は綾乃ちゃんと同じ小学校だったが、良い思い出は1つもない。







だいたい、凛関わりだと思う。








今泉 綾乃
あのさ、なんで後ろの席と喋るの?
あなた
え、後ろの席だから、、
強めの声で言われて後ろに壁だと思うと自然と緊張する。
今泉 綾乃
喋らないで
え?それはちょっとおかしくない、それに






私、怜くんの事すきだから。無理だ。






断らないと…ちゃんと無理だって。
あなた
ごめん。それは無理、私。青木さんのこと好きだから…
(学校では怜くんの事ほぼ、苗字読みです。)
今泉 綾乃
はぁ?そんなの知ってるよ!
えぇー。知ってるのかーい…



それにしても、さっきから話が見えない。
あなた
その、話もう少しわかりやすく教えて。
今泉 綾乃
大野と青木の関係知ってんだろ!
え。昔付き合ってたんだよね。
あなた
知ってるよ、凛が言ってたから。
でも、凛が別れたって聞いたら言ってた。
凛と同じクラスの ゆいのん(結奈ちゃん)にも聞いたら、


凛ちゃん?あー。私も気になって聞いたら、付き合ってないよって言ってた〜。


って言われたから。
今泉 綾乃
休み時間見てたんだよ、凛が。毎日!

そしたら2人が喋ってるって困ってるの。
凛、皆に相談したから。クラスにもそっちのクラスにもね


見てるから!皆でこれからっ
監視するから。
あなた
え、青木さんと凛別れたんじゃ、、
別れたのになんでそんなにしてるの?




そういえば毎日、廊下を見ると私のクラスを見ると凛がいる。
今泉 綾乃
はぁ?別れてないよ!
なに勝手に進めてんの?
え。別れてない…?
でも、凛が。
あなた
凛が言ってた。別れたって…!
今泉 綾乃
喋んな!
今泉 綾乃
凛とあなたで告白したんでしょ。


凛が青木とあなたちゃんが仲良くするのは約束してないって!
約束したのは凛とあなたが仲良くすることだけ!
確かに、凛と一緒に告白もしたし、いくつか約束をした。

でも、約束は守っている。





凛とはちゃんと一緒に下校してるし、今まで通り仲良くもしている。



怜くんと仲良くしちゃいけないという約束はない。
それどころか、凛が仲良くしててねと言われる感じ。


どちらかと言うと、守ってないのは凛の方だ。




2人で告白をしたのは言わない約束だった。




諦めれなかったら良いと約束を決めたのは凛だった。
私は言おうとした、でも言えなかった。
綾乃ちゃんが私が言おうとしたら怒鳴ったから。





喋んな!って言ったよね?!って
もう、私は綾乃ちゃんの声が聞こえなくなっていた。
正しく言うと自分の荒い呼吸と頭から聞こえるドクンドクンとなる音がうるさすぎて聞こえなかった。









私は耐えれなくなって綾乃ちゃんに何かを言って走った。







何を言ったかあまり覚えていない、帰るねとかバイバイとか言ったつもり。









でも、その時の私はそんなに余裕がなかったんだ。








綾乃ちゃんと過呼吸の状態で話していたからなのかもしれない。












その後、凛と無言で帰った。



明日は定期(5教科)のテストだったが、そんなの気にならなかった。







そんな時、私を助けてくれたのも君だった。







家には私1人。





電気をつけるのも忘れ、机に寄りかかり泣いていた。












なんで泣いたのかよく分からなかった。






そんなとき、君からLINEが来たんだ。







いつもLINEをしていたから、普通のことだった。


だけど、その時は普通に思えなかった。







しばらくLINEをした。










落ち着いてきて、綾乃ちゃんの聞こえなかった話が少しだけ思い出せた。








もっと体が重くなって感じた。







Rei
なんか、大丈夫〜?
びっくりした。いつも通り打ったつもりがそうじゃなかったらしい。











おもわず、甘えたくなってしまった。

君の優しさに。







あなた
電話したいかも
Rei
んー?
Rei
いいよー


私と怜くんはちょくちょく電話する。


だから怜くんにとっては気にならない出来事かもしれない。



そう思うと少し胸がキュッとなって感じる。
Rei(電話)
もしも〜し
あなた
も、もしもし
気づいたら電話がきていて、私は慌てて出た。

なんでだろう、収まってきたはずの涙がまた溢れてくる。




やだなぁ。せっかく怜くんと電話してるのに…。




私が鼻をすする音が聞こえたのか、怜くんが心配してくれた。
Rei(電話)
大丈夫ー?僕でいいならなんでも聞くからね
うんって言いたい。






ありがとうって言いたい。






でも声出すと、さっきと違うってばれちゃうから。


もっと泣けてきちゃうから。


でも、電話してるから…。




私から誘ったから…ちゃんと言わないと。



あなた
ぅん、ありがとう…っ
それから、綾乃ちゃんに言われたことを聞いてみた。












実はあの時言われたんだ。











『青木だって、迷惑してるんだから!あなたちゃんが話すもんでっ』









…と、聞こうか迷ったけど。










怜くんなら言ってくれるって思ったから。




あなた
怜くん、あのさ
聞こうと思うとさっきよりも涙が出てきて






声が揺れてくる。



Rei(電話)
んー?なに〜
あなた
怜くんって私と話すの迷惑…?
自分で言っといてあれだけど、言うと余計傷つく。








心臓の音が早くなって感じる。









言葉ストレート過ぎたかなとか、変なところまで気になってしまう。

でも、今は思ったことをそのまま言う事しか出来なかった。

怖い。好きな人にこんなことを聞いて、場合によっては私…
Rei(電話)
話すの?
Rei(電話)
迷惑じゃないよ。前も言ったじゃんw
Rei(電話)
それともだれかにいわれたの〜?

君にそう言われると、嘘かもしれないけど

信じたくなる。






信じてしまう。








嬉しくなってしまう。













君は私に魔法をかける天才だ。





そのあと、色々なことを話した。

明日は定期テストだから、公民で憲法覚えた〜?とか



猫語なら言える!とか変なことも話した。







さっきまでのことは嘘かのようだった。

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