集会が終わった。
まだ席替えをしてない、ある意味 集会に感謝しなければいけない。
2時間目は 紙にお願い事を書いたり、新しいステージの振り返りを書いたりした。
すこし、手がかじかんでいるのか 上手く書けない。
怜くんと話しながら。
小さなことにも気づいくれる君がすき。
君を見ると、全てが”すき”に繋がってしまう。
あーぁ。席が離れたら、そういうのも減っていくのかな。
君への”すき”も減っていくことは出来るのかな。
班変わってしまうまでに たくさん話さなきゃいけないのに。
少しでも、少しでも進めたいのに。
席が近く無くなっちゃうのに。
今がチャンスのはずなのに。
なんで、こんなこと考えちゃうんだろう。
せっかく怜くんと話してるんだから…って思うんだけどね。
LINEで驚いた時 言う言葉。
波線と棒線をくっつけてマークをつけてLINEで言うよね。
なんて考えてしまう。
どんだけだよ!気持ち悪いわって、おもわず自分にツッコミを入れてしまう。
ダメもとで君に頼んでみる。
生活アンケートに学習アンケートも配られていて書くことだらけ。
さすがにだめかって思ってた。
ちょっとびっくりした。
だって。
「えー?やだ」
って断ったり
「もっとお願いしたら いいよ?」
なんかしないとダメかと思ってた。
私が停止していると君は私の左手から紙を取った。
…と言って右手を出す。
多分、私が右手で持ってるペンをよこせって言ってるのかな。
私はシャーペンを貸した。
貸したと言っても元は怜くんのシャーペンだったんだけどね。
怜くんが私の持ってるピンクのスマッシュが欲しかったらしく、
交換条件を出して今のシャーペンが私のになった。
スラスラと字を書いていく。
私と違って筆圧はそこまで強くない、綺麗な大きい字が紙に書かれていく。
まぁ。私が力込めすぎちゃって、強くなっちゃうんだけど…。
怜くんってこういうこともサラッと出来ちゃうなんて。
思ってもなかったな。
書いてもらったのはいいけど、下に名前を書くスペースがない。
まぁ。小さく書けば書けるんだが。
そう言って私の手から、ひょいっと抜き取る。
うーん。なんか企んでそうだなぁ。
書くとこ無くしちゃったーの方の笑いだといいんだけど…。
イラストのだるまとかの中に名前を器用に書いていく。
器用の無駄遣いだ…!私は不器用なんだぞ…?!
と言って消しゴムで消す。
こういうところが怜くんらしい。
キャラクターやイラストで可哀想な事はすぐにやめるところ。
前に美術の授業で和菓子を粘土で作ると言うのをやった事がある。
茶巾絞り(布で被せた状態で粘土を引っ張りねじって押すこと)をやる時に
ガーゼかハンカチが持ち物だった。
私はどれがいいのか分からず、3種類持ってきた。
怜くんは本物の医療用のガーゼとチョッパーのハンカチを持ってきた。
チョッパーが絵の具で汚れたら可哀想だなぁ。
って思って言ってみたら
「え、えぇ。使いづら…ガーゼにしょ」
といって、ガーゼにしようとしたけど小さすぎて使えないらしく、私のを貸した。
まぁ。その後 ガーゼが使いにくいと莉子ちゃんにちょうだいと頼まれ、
前の席の子には 忘れたからと頼まれ貸して、私のガーゼは ほぼ0になったとさ。
そういうところが可愛いなと思ってしまう、私は重症なのかもしれない。
まぁ。でも、いっか。
席替えは次の時間にやると言ったのに、先生が今しちゃおうと言った。
始まる前に席替え まだしないか聞いた多数決はどこに行ったのか。
ギリギリまで話して、席替えをした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。