第14話

意外なところ
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2020/01/08 12:27
集会が終わった。

まだ席替えをしてない、ある意味 集会に感謝しなければいけない。




2時間目は 紙にお願い事を書いたり、新しいステージの振り返りを書いたりした。






すこし、手がかじかんでいるのか 上手く書けない。
青木 怜
えぇーだってあれは〜
怜くんと話しながら。
青木 怜
手ー、止まってない〜?
あなた
あー。えっと
あなた
手がかじかんじゃっててw
青木 怜
えー?
小さなことにも気づいくれる君がすき。


君を見ると、全てが”すき”に繋がってしまう。









あーぁ。席が離れたら、そういうのも減っていくのかな。










君への”すき”も減っていくことは出来るのかな。







青木 怜
なんて書こうとしてたのー?
あなた
怜くんと同じで
あなた
『志望校合格』
班変わってしまうまでに たくさん話さなきゃいけないのに。










少しでも、少しでも進めたいのに。







席が近く無くなっちゃうのに。





今がチャンスのはずなのに。





なんで、こんなこと考えちゃうんだろう。

せっかく怜くんと話してるんだから…って思うんだけどね。
青木 怜
おぉ〜ー
LINEで驚いた時 言う言葉。

波線と棒線をくっつけてマークをつけてLINEで言うよね。





なんて考えてしまう。



どんだけだよ!気持ち悪いわって、おもわず自分にツッコミを入れてしまう。
あなた
怜くん書いて〜
ダメもとで君に頼んでみる。



生活アンケートに学習アンケートも配られていて書くことだらけ。

さすがにだめかって思ってた。
青木 怜
いいよー、貸して?
青木 怜
書いてあげる
ちょっとびっくりした。






だって。

「えー?やだ」



って断ったり

「もっとお願いしたら いいよ?」



なんかしないとダメかと思ってた。



私が停止していると君は私の左手から紙を取った。
青木 怜
…と言って右手を出す。


多分、私が右手で持ってるペンをよこせって言ってるのかな。

私はシャーペンを貸した。




貸したと言っても元は怜くんのシャーペンだったんだけどね。

怜くんが私の持ってるピンクのスマッシュが欲しかったらしく、
交換条件を出して今のシャーペンが私のになった。


スラスラと字を書いていく。

私と違って筆圧はそこまで強くない、綺麗な大きい字が紙に書かれていく。




まぁ。私が力込めすぎちゃって、強くなっちゃうんだけど…。





怜くんってこういうこともサラッと出来ちゃうなんて。


思ってもなかったな。
あなた
そういえば、名前ってどこに書いた〜?
書いてもらったのはいいけど、下に名前を書くスペースがない。


まぁ。小さく書けば書けるんだが。
青木 怜
あw
そう言って私の手から、ひょいっと抜き取る。



うーん。なんか企んでそうだなぁ。

書くとこ無くしちゃったーの方の笑いだといいんだけど…。
あなた
ぅ、わぁ…
イラストのだるまとかの中に名前を器用に書いていく。




器用の無駄遣いだ…!私は不器用なんだぞ…?!
青木 怜
どうしたのー?
青木 怜
書いてあげたよー?名前までw
あなた
悪意を込めてありがとう〜
青木 怜
えー?
あなた
だるまさんが可哀想でしょー?
青木 怜
あ〜ー
青木 怜
確かにー
と言って消しゴムで消す。




こういうところが怜くんらしい。

キャラクターやイラストで可哀想な事はすぐにやめるところ。












前に美術の授業で和菓子を粘土で作ると言うのをやった事がある。






茶巾絞り(布で被せた状態で粘土を引っ張りねじって押すこと)をやる時に

ガーゼかハンカチが持ち物だった。




私はどれがいいのか分からず、3種類持ってきた。

怜くんは本物の医療用のガーゼとチョッパーのハンカチを持ってきた。







チョッパーが絵の具で汚れたら可哀想だなぁ。

って思って言ってみたら


「え、えぇ。使いづら…ガーゼにしょ」


といって、ガーゼにしようとしたけど小さすぎて使えないらしく、私のを貸した。





まぁ。その後 ガーゼが使いにくいと莉子ちゃんにちょうだいと頼まれ、

前の席の子には 忘れたからと頼まれ貸して、私のガーゼは ほぼ0になったとさ。




そういうところが可愛いなと思ってしまう、私は重症なのかもしれない。

まぁ。でも、いっか。




席替えは次の時間にやると言ったのに、先生が今しちゃおうと言った。


始まる前に席替え まだしないか聞いた多数決はどこに行ったのか。






ギリギリまで話して、席替えをした。

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