学校が終わって、家に帰って支度をして今は車の中。
車の中でも怜くんとLINE。
どこにいても怜くんのことを考えらせられる。
本の話や年下か年上かの話など色々した。
年下か年上かの話はどっちが異性で好きかって話。
私 実は年下派なんだよね〜。って言っても小説の中だけだけどね。
なんて言うか敬語からタメになるところが好きなんだよね…。
ぅ…。酔った…。
1時間くらい車の中で下を向いてたら そりゃ酔うよね。
乗り物にも弱い方だし…物によるけど。
理由言うほう間違えたー…
打ち間違いが…そろそろ本当むり。
間違えを打つのも きつく感じる。
怜くんはときどき当て字でLINEを打つ。
今のは笑笑という意味。
冬休み入る前くらいまで学校やLINEで2人で遊んでたっけ。
未だに、そのくせが抜けないのか怜くんは分かりやすいやつだけ
こう打ってくる。
理科の授業始まる時だかに莉子ちゃんに見つかって2人揃って怒られたこともあったなー…。
いつもだったら 笑うなーってLINEするとこだけど、その余裕さえない。
ほんと死にそう。最近 酔うこと多いなって思ったけど。
よく考えてみると そんなこともなかった。
まえ、おばあちゃんの家に行くとき 酔ったのも怜くんとLINEしてたから…。
え、これ怜くんのせいじゃね?w
LINE見返すまで気づかなかったけど、本当に誤字がいつもより多い。
ここまで理由を言ったら、さすがに閉じてもいいだろう。
…え。閉じる気満々だったんだけど。
怜くんの行動はいつも私と違うところに いく。
え。やばい、盛大に間違えた。
こうやって打っても通じる怜くんはすごいと思う。
よく慌てたり、ビックリしたりとかすると私の誤字が増える。
自分でも 分からないこと打ってしまうこともある。
それでも、言ってることが分かる怜くんって…エスパー?
もしかしたら私の誤字に慣れすぎたせいかも。
怜くんとLINEするようになって、変にからかうから誤字が増えるというのもあるけど…。
まぁ、それでも打てる時は誤字を直して打つんだけど。
まさかの直したと思ったら また間違えました。
閉じればいいんだもん とすら打てない…。
諦めてダメと言われた方に返信を打つ。
何その自信満々な返信。
私が怜くんのLINE最優先でしてるって知ってって言ってるでしょ…。
まぁ、LINEのときに言っちゃったんだけどさ。
うん、怜くん積極的がいいんだよね…。
というか、忘れてるかもだけど 私酔ってるんですけどー?!
やめますってLINE打つ前に返信きちゃったよ…。
てか、なんで〜…。
ある意味だけど…。
うわぁと打とうとして うわだと打ってるとこから察して欲しい。
本当に限界だと…。
こんなに限界なのに怜くんとLINEを続けてしまう、私も私だけど…。
アザラシのじっと見てるスタンプと一緒に送られてきた。
…や。そっちが本当の狙いだろ…!
うわぁ、うわぁー。
これはすでに確信犯…ってことは閉じても良い…と?
よし、閉じよう。
そう思ってLINEを閉じて電源を落とす。
LINEの音ともに画面に表示される。
条件反射でLINEを開く。
あーぁ、こういうところが ダメなのだろうか。
こんなLINEをしばらくしていたら美容室に着いてしまった。
店内に入り、席に案内される。
美容室はまだ新しい方で外も中もすごく綺麗だ。
店内はアンティークな造りとなっている。
4つの椅子の出口から近い方から2つ目の席に座っている。
右を見ると私のつま先から太ももくらいの大きさの時計が立てかけてある。
こういうのを大胆に置けるところからしてセンスがあると思う。
店内を見ているとLINEの音が聞こえる。
あ…。消すの忘れてた。
タブレットを開いて音を消す。
LINEを見てみると、やっぱり玲くんだった。
今日は怜くんとめちゃくちゃLINEして感じるなぁ。
いつもより、まだ夜じゃないから少ないはずなのに。
そう思ってLINEをみると、自然と口元が緩む。
前を見ると鏡に映る自分の顔。
あーぁ、こんなとこ他の人に見られたら好きなの丸わかりかもしれないな…。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!