第8話

3つ目の本
95
2020/01/10 08:05
ゴロゴロして、親が来たら勉強するというなんとも言えない冬休み。






でも、実は気になることがあって。







私は冬休み前に3冊の本を持っていた。


1つは小説。


2つ目は学校の図書室で借りた本


最後に3つ目、それはケータイ小説だった。











1つ目は持ち帰って、2つ目は学校の机の中。











3つ目は怜くんが持っている…。
実はそれ、みゅーな**さんが書いた『可愛がりたい、溺愛したい。』って本なんだけどね。








怜くんは時々私の本を勝手に読んだり、見たりする。









3つも本を持ってたし、怜くん友達から借りた本読んでるから平気かなって思っていたんだ。





でも、爪が甘かったらしい。







給食の時間、その本を机に置いて給食の列に並んだ。








給食は生活班っていう、4人と5人のグループを机を向かい合わせにして食べる。
いつも授業とかでは学習班っていう班で4人班になる。


私は前から2番目の席なので1番前の2人と隣の席の子で同じ班。
生活班と学習班が同じなのはこのメンバー。



生活班は5人班なので1人増える。



私たちは前の班なので後ろの席の人が前に1人来る。
で、余った隣の子は後ろの班と合体する。








生活班で同じなのは怜くんだ。








私と隣の席の人が向かい合わせたところに怜くんが誕生日席みたいにくっつく。

だからだと思う…。










給食の時、本を取られてしまったのは…!
青木 怜
可愛がりたい、溺愛したい?w
あなた
あ、ちょ。取らないでよ〜
そう言いながら本のブックカバーを撮って私に見せながら言う。
後ろのあらすじまで読まれてしまった…。







それからも、本を返してって言ったんだけど…。
青木 怜
やーだ。
青木 怜
返さないっ
返してもらえなかった。






それどころか私に本のセリフを言ってくる。


本だって分かってるのに、顔が熱くなって。






恥ずかしくなる。でも、言われて喜んでしまう自分がいる。











結局、給食中もずっとからかわれてしまった。



というか、今だにからかわれている…。
青木 怜
っ……あーもう。可愛すぎて気が狂いそう。
あなた
言わないで〜!てか、読み方上手くなってるしー
今はもう…どんだけ本の言葉を読まれたか、分かりません…💦
山本 美月
え…あなたちゃん、何してるの?
山本 美月
てか、顔赤くない?

え、そんなに…?


ビックリして両手を頬に当てる。




うん、熱い。





青木 怜
あーぁ。真っ赤、リンゴみたいで可愛いよ?w



えぇ、そんな都合いいセリフあったの〜?!







1回しか読んでないから、そんなに覚えてないよ〜?!
山本 美月
あー、怜くんが理由ねw
あなた
赤くないもん
自分で言うのもあれだけど、結構苦しい言い訳だったな…
青木 怜
照れてるところも可愛いよ?
うぅー…!変にびっくりちゃうよ!
あなた
そろそろ、本返してよ〜ッ!
青木 怜
だーめ。
青木 怜
返してあーげない!
あなた
うー…美月ちゃぁぁあん!
山本 美月
あ、覚えてくれてたんだw
山本 美月
すっかり二人の世界に入っちゃったと思ったよ〜w
あなた
入ってなんて…ないから〜!
そういうと、美月ちゃんは私を宥めるかのように頭をよしよしと撫でてくれた。
山本 美月
このリア充はホント仕方ないなぁー
あなた
リア充じゃないもん
今まで何回もリア充とかいちゃいちゃしないでとか言われてきたけど、青木くんと私は付き合っていない。






そんなことを考えてるとちょっと冷静になった。





青木 怜
怒ってる顔も可愛いね
あなた
うわぁー。まだ続けます?
青木 怜
続けますー
昼休み終わるまでからかわれ続けました。
美月ちゃんと言いますと私の席に座って怜くんの机の上にうつ伏せになって悶える私を見てました。

プリ小説オーディオドラマ