第91話

プレゼント
28
2020/02/10 08:15
1つ思い出すと次々と思い出してしまう。





ふと視線を横にずらすと君から貰ったプレゼントマフラーが目に入った。


ベージュのチェックで可愛らしいマフラー。




















付けていると周りから「マフラー可愛いね」とか「それいいなー」って言われる。







私は正直、センスがない。おしゃれとかもよく分からない。


だけど、君に貰ったマフラーは皆に褒めてくれるね。


















このマフラーを貰ったのはいつだったかな。




































ー冬休み後の日直班…。






班を変えて初めての日直班。






前回の班の時は4日間しか学校がなくて日直が余るからって

玲くんと2人で分けて日直をしたなぁ。













…なんて思うと自然と頬が緩んでしまう。



ニヤニヤが止まらない、自分で言うのもあれだけど結構 気持ち悪いと思う。






先生
日直班ー!窓閉めもしてー



先生の声で慌てて窓側に行く。


窓はすでにしまっていた。















えー、しまってるじゃんなんて思って戻ろうとした。



















青木 怜
バック持ってきて



後ろに玲くんがいて、いきなり声をかけられた。




最初は いきなり過ぎて私以外の人かと見回したが私らしい。





















教室から出た人は まだ余りいなかったのだが

玲くんが私を見てもう一度言ったので合ってると思う。



























意味がわからなかったが机にかけているトートバッグをとりあえず持って行く。


















玲くんは いつかの家庭科の授業で作ったリュックから何かを出そうとしている。




だけど、物があり過ぎてでないようなのでアドバイスをしとく。




あなた
たぶん、パンパンで出ないんじゃ…




そういうと仕方なさそうに机に物を並べていく。



体操服、ジャージ…と順番に並べて中に余裕が出来たのか腕をリュックの中に突っ込む。




青木 怜
バック開けといて



…と一言。



さっきから言葉少なくない?と思いながらも両手で片方ずつバックの紐を持つ。



















そして…


























あなた



バックには物が入れられた。



青い袋に金っぽいようなラッピングの物が…。



















青木 怜
欲しいって言ったから



そう言って教室を出る玲くん。























確かに冬休み電話で聞かれて欲しいって言ったけどさ。





…なんて思いながら日直班なので私は教室に残って1人ニヤニヤしていた。





















物 ひとつ見るだけで思い出せるって私 記憶力よくね?なんて思ってしまう。




まぁ、でも それくらい嬉しかったからってのが本当の理由。





























あとから知ったのだが7000円近いやつだった。

cashmereと金で刺繍されたマフラー。


















今思うとさ、なんで君はこれをくれたの?




私が欲しいって言ったから。






















ねぇ、本当にそれだけなの?

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