私の体はなんというか、少しやっかいだ。
緊張や人混みなど私は苦手だ。
脈が上がると、場合によっては体がガクガクと震え出す。
過換気症候群と言うやつらしい。
私がこのことを初めて話したのは君だった。
私は最初、全然普通だった。
言い方はおかしいかもしれないけど、集会で倒れるようなことはなかった。
でも…
最近、集会で体調を崩すようになった。
5時間目から6時間目にかけて集会をしていたせいかもしれない。
そう思っていた、でも違った。
次に行った集会では1時間しか、やらなかった。
なのに、私はそこでも体調が悪くなった。
小児科へ行ったら、症候群。
正直、今の状況についていけてなかった。
次の集会では倒れなくて、その次の集会では倒れた。
周りからしたら迷惑だろう。
そう思って落ち込んでいたら君が言ってくれた。
…と、なんでだろう。
あんなに落ち込んでいた気持ちがスーッと胸から消えていた。
今思うと君を好きになった理由のひとつだったのかもしれない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!