第26話

いつものLINE
58
2020/01/12 04:19
美容室でシャンプーをするためにLINEを閉じる。










あんなに閉じる閉じる言っていたのに。



いざ やめるとなると寂しいな と思ってしまう。











髪を切り終え、宿題が終わらないまま塾に向かう。





怜くんとのLINEといい、髪のショックにより忘れていたが…。

未だに宿題が終わっていない。











車の助手席の鏡を開き、髪を見る。







肩に髪が付いていて校則違反だった髪を肩につかないくらいに切り。

目に半分かかるくらいの前髪も今は眉毛より少し上になっていた。














実は いつもここまで切らない。






お母さんがもうすぐ受検があるから、そのときにちょうどいいように
印象よく見えるように頼んだのだ。









だけど、これはちょっとなぁ…。





…と。前髪を上に摘んでみていると塾に着いた。















まだ、授業まで時間があるので必死に宿題をした。

結局 宿題が終わったのは授業が始まる12分前。







あともう少し遅かったら終わらないところだった…と胸を撫で下ろす。










ところで舞花ちゃんは終わったの? と言うと実は既に終わっていて
私より一つ前の授業を受けている。







なんでも私が美容室の時には終わっていたらしく、LINEが届いていた。











2教科の宿題を短時間で終わらせるだなんて、舞花ちゃんはどれだけ頭がいいんだか…。

少しでいいから その頭の良さを分けて欲しいくらいだ。










塾で舞花ちゃん少しお話をしてから授業が始まった。






舞花ちゃんは今日3時間も授業があったので私と会ったらしい。

天才は違うものなのか…。私だったら死んでいる。







そんなことを少し考えながら授業を終えて、次の時間も終える。





9時になり。迎えが来る時間になったので荷物をまとめ、塾を出る。





…といっても、塾に向かう時の車や授業の10分休みなとでちょくちょく怜くんとLINEをしてたのだけど。











いつもどおり車に乗ってお母さんと今日何の授業をどの先生とやったのかお母さんに言いながらLINEを開く。




LINEを開くと何件かLINEが入っていた。











その中には怜くんのLINEも入っていた…というか ほぼ怜くんのLINEだった。





よく怜くんはスタ連や写真をいっぱい送るので、LINEが何件か来ても全部怜くんからだったというのは よくあること。







今回は何なのだろうと不思議に思い、LINEを開く。

まぁ。怜くんからのLINEが来ると言うだけで嬉しいのだけど…。








そう思ってLINEを開いて少し目を見開く。






怜くんからのLINEは52件。
写真が50件。言葉が2件。









普通だったら驚くもだけど。いつもの私だったら驚かなかったなぁ。





怜くんだけで最高980件以上来たこともあった。










だから意外と慣れていたんだけど。このLINE少し変わっていて気になった。

これ同じLINEを2回送っている気がする。










1つ目は丁寧に1枚ずつLINEを送っているからか、写真が少し大きく大きさが違う。

2つ目はそれを間組めて何回かに分けて送った…みたいな感じ?











ついでに2つとも言葉が同じ。
Rei
以上
以上って…何?!  えぇー。



送られてきた写真は鬼滅のイラストとアライグマや猫、蛇やトカゲの写真だった。


LINEを読むには鬼滅の蛇に似てない?ってことかな…たぶん。










鬼滅は私と怜くんが好きだから よく送りあっている。




猫も私も怜くんも好きだから送りあっている。
といっても大体 怜くんが送ったのを見る派なんだけれども。







そんなことを思って見てみると1つ変なのが混ざっていた。

明らかに他のと写真が違う。他のは趣味とか可愛いなって写真。(トカゲもそうなののかな。)











一つだけ明らかに違う写真…それは。





























私の写真だった。






この写真 見覚えがある。


たしか冬休みに送り合いみたいなので送ったやつだ。










普段しているコンタクトではなく黒縁眼鏡をかけて、
冬用のふわふわした水色の水玉模様のパジャマを着てる自分…。





嫌なほどはっきりと思い出せる。







ー冬休み…

Rei
えぇー
あなた
ドライヤーしながら頑張ってるんだから
あなた
誤字はするの〜!!
そう…この時も誤字が大量発生。


やー、だってさ。右手ドライヤーで左手で打ってるんだよ?!
私右利きだし、そんな器用じゃないのに〜。






それに、不器用って知ってるよねって聞いたら うんって言ってたしー…。











本当ひどいと思う。たしかに美術で不器用 発揮しまくってたけどさー。



ちょっと発泡スチロール切ろうとしたら左腕切って血が出ちゃったけど…。

もっとオブラートに言ってくれたって…。
Rei
本当にしてるのー?
むむむ…失礼な〜っ。頑張ってしてますよ?!






そう思ってボイメ(ボイスメッセージ)をドライヤーをしながら押す。




ドライヤーの音か分かるか知らないけど…。
あなた
証拠o(`・ω´・+o) ドヤァ…!
Rei
これがー?
Rei
んー、じゃあ写真送ってよ〜
えぇえ。なぜそうなる?!
ドライヤーしながら写真撮るとか、そんな器用じゃないんだけど私…。












まぁ、もちろん送らないんだけど。
あなた
えー
あなた
やだ
Rei
えー?
Rei
なんで〜
え。逆になんでドライヤーしながら写真撮らなきゃなの?
Rei
じゃー、動画ー
えー。まって 普通そこまでいく?!


ドライヤーしてるの、そうなんだ で終わるくらいの会話だと思うんだけど…!
あなた
やだー
Rei
ねぇー、お願いー
お願いするほど証拠欲しいの…?!どんな人だよっ。
そんなに私って信用ないのかな…。








んー…なんか前は今の写真送ってってやつで送っちゃった気がするー。
この流れで…。














まぁ。前は写真をすぐ消しちゃって怜くんが見えなかったってブーイングが来たけど…。



その時は写真送り合いってやつで私だけ怜くんの写真ゲットして終わったんだよね。












あなた
やだー
Rei
えぇー
いや、えぇーは私の為の言葉だわ。
Rei
ねぇー
Rei
お願い〜ー
もうそれ、からかうためだけに欲しいんでしょ…。






そのくらい分かるんだからねって思いを込めての返信。
あなた
やだ
うん、伸ばし棒がなくなっただけだわ。


どんだけ、からかいたいんだよ!私ってそんなからかいやすいかなぁ…。
Rei
えぇー、俺も送るから〜
Rei
僕も送るから〜
俺と言った方を送信取り消し して2つ目の方を送ってきた。





まぁ。怜くんの本当の一人称が俺というのは もともと知ってたんだけど。

なぜか隠している。






謎だなぁ。まぁ、見た目からして僕ってイメージはあるけど…。














敬語からのタメが好きな小説で言う後輩タイプが好きな私からしたら全然アリ。

それに、小説でも いきなり俺って出すのも結構好きだったりする。








怜くんと席替えをして2週間くらいで、二人で話してた時にちょくちょく出てたし…。








まぁ。でも莉子ちゃんや班の時は言ったことなかったなぁ。

私が怜くんに話しかけすぎてボロが出たのかな?








まぁ、私が青木さんってときどき俺って言うんだねって言ったら減らし始めたけど…。


今思うと怜くんのこと青木さん呼びだったすごく昔のことに感じれる。
あなた
えぇー
Rei
お願いー
…とまぁ。こんな会話を長いことしてたら、髪も乾く。







残念だったな。怜くんよ…と思いながらLINEを打つ。
あなた
ドライヤー終わったー
Rei
えぇー
いや、えぇーって送られても…。
あなた
ドライヤー終わったから送らなくていいよね
Rei
えぇー
Rei
だめー
えぇー。もともと証拠のためだったのでは…?








本当、怜くんは不思議ちゃんだ。

友達や親にも不思議ちゃんと言われる私も思うのだから そうとうな不思議っ子だと思う。








もう。写真送る必要がない気がするのは私だけなのだろうか。



まぁ。怜くんの写真は見たいけど…。




あなた
えぇー
あなた
終わったじゃんー
Rei
だめー
Rei
送るのー
えぇ。矛盾してる…。
Rei
送れ
ついに命令形…。



そうなのだ。







言って〜 から 言え になったり、電話でて〜 から出ろ になったりとか

怜くんはなにか言う通りになって欲しいことになると最終的に命令形になる。










実は こういうところにも私は弱かったりする。




まぁ。怜くんのことになるとなんでも そうなのだが…。








あなた
送らないから〜!
うん、頑張った。頑張ったよ 私!
Rei
えぇー
Rei
なにかあげるから〜
え…。そこまでいく?!






結局プレゼントはイヤホンで決まり、怜くんの写真プラスの条件で呑んだ。










あー。私はこういうところが だめなのか…。
たぶん、怜くんじゃなければこうはならないんだけろうけど。
あなた
あれ?
Rei
んー?










一つ気になったことがある…それは。







あなた
怜くんと電話以外、使う時ないよ?


そうなのだ。イヤホンどっかいっちゃったから別にいいや と思ってたけど。





私が毎度イヤホン欲しいと考えるのは怜くんと電話する時のみ。



YouTuberは家で禁止されている。







まぁ。いないときに こっそり見るんだけど…。
家族が誰もいない時に見るのでイヤホンも必要ない。
Rei
いいじゃん
えぇー、よくない。使い道の少なさ。


返信がいいじゃんって言うとは思わなかったよ…。
いつもみたいに えぇーって来るかと思ってたよ。
あなた
よくないー
あなた
怜くんとしか使わないもん

私のこれは珍しく正論だと思う。


まぁ。怜くんとのときは私の方が正論をほぼほぼ言っている。
Rei
僕だけに使えばいいじゃん

イヤホンは怜くん専用にしろ…と?





あやうく。僕だけにとか言うから、そっちが気になって専用の方を忘れるとこだった。
あなた
えぇー
…という流れを何回も繰り返し、ついに送ることに。





毎回なぜか私が負けて怜くんの思い通りにいく。



もう完全に乾いてしまった髪を くしでとかす。



ドライヤーの風や私が寝っ転がってぐちゃぐちゃになった髪を整える。







普段の私の髪は すぐには整わないのだが美容室でストレートになると聞いてた買ってしまった くしだけはあるな。





…と。くだらないことを考えながら整え終える。







お母さんに見つからないようにわざわざ2階の階段に行く。

自分の部屋だと色々 映ってしまうので仕方ないと思い、カメラモードにしてタブレットを構える。









前回も思ったけど1人で撮る時ってどんなポーズと顔をするばいいのだろう…。






写真を一瞬で消せば見られなくて送ったことになる。


ならば腕で顔を隠して送ってしまおう。







目の前に自分の水色だけ。


その状態でカメラを押す。








うん、見えてない。そう思って写真を送る。










あなた
送ったよ〜
Rei
顔隠さないでー
え…既読はやくない?




たしかにLINEしてたけど、ちょっと待っててって言われた時に送ったはずだけど…。



そして、写真もばっちり 見られていたらしく注意されてしまった。
あなた
えぇー

たしかに隠してたけど、送ったことに変わりない。
Rei
眼鏡すら見えてない〜

怜くんは私の眼鏡とパジャマという変なところが気になるらしい。




今、お互いどんな感じかわかってしまっている。










怜くんは前髪をヘアピンに眼鏡というoffスタイル。

まぁ。この時間で普段の格好をしてる人は なかなかいない。









怜くんは髪の毛がサラサラで前髪は長い方。

髪の毛がサラサラ過ぎてヘアピンをつけないと、勉強するとき邪魔になるらしい。











私は天然髪なので その悩みが羨ましい。
あなた
隙間から見える程度には送ったよー
Rei
だめー
Rei
送れー

伸ばし棒がある時はまだ怜くんに余裕があるとき。





ならば、まだ送らなくても大丈夫。



…と思っていたのだが30分過ぎたくらいで送ることになった。





私はすぐに写真を消したのだが、怜くんが読み込み途中でスクショをしていたらしく、少し輪郭がモザイクみたいな私の写真をゲット。




Rei
ねぇー、途中で消したでしょ
あなた
( ゚ー゚)ウ ( 。_。)ン
当たり前だ。撮っとく程の顔じゃない。

それに怜くんがsnowだめにしたから 尚更 消すのも早くしたい。






まぁ。今回は消すのに時間がかかってしまった。

操作を間違えて違うところに転送されかけたのだ。





危なかった。そんなことになったら後悔で私は死んでいる…。



Rei
なんでー
あなた
消したかったから〜
Rei
まぁー、スクショしたけど〜
あなた
えぇー
あなた
てか、怜くんの写真はー?



そう、私は怜くんの写真を保存するどころか見てもない。



見たかった…怜くんの眼鏡姿。





ヘアピンの写真と私服の写真は前回の送り合いで手に入れたのだが、眼鏡は持ってない。
Rei
えぇー
Rei
送ったよ〜?
あなた
見てないー!
心の声より先に手が動く、どんだけ必死なのだろう…。
Rei
えー?2枚も送ったよー
嘘だ〜!私 見てないんですけどっ。



もはやガチ勢、いつストーカーになってもおかしくないレベルだな…と思ってしまう。
あなた
見たーい
さっきと立場が正反対。


さっき見なくていいじゃんとか言ってた自分はどこに行ったのか…。
Rei
2枚も送ったのにー
Rei
見てなかったのー?
うー…。いったい私は そのとき何をしてたんだって思いながらLINEを見返す。






怜くんとはいつもとてつもない量のLINEをするので2時間前とか戻るのに5スクロールは余裕で越す。



特に送る送らないのLINEだと10スクロールも余裕。
あなた
ちょ、待って見返してるー!
見返すのに結構時間がかかるのに、怜くんがLINEを打つと元の場所に逆戻り。
Rei
えぇー
ほら、また戻ったーって思いつつもスクロール。





ん…?2つの送信取り消しのところに目がいく。

もしかして…このときに送ったのー?!
あなた
うわぁ
あなた
送信取り消し2つ見つけた〜
Rei
和羅和羅😀
これだったのかー…。怜くんのLINEを見逃すという事はお母さんがいたか、トイレ行ってた時ぐらい。








うわぁ。ショック。





分かりやすく方が下がってしまう。
まぁ。もともと猫背なのでそこまで変わらないのだけど…。




結局その後も2回送ってもらったのだが、運が悪いのか また消された後だった。








あなた
うー、、
あなた
お母さんを恨む〜!
Rei
どんまい〜w
どんまいで済む問題じゃないから…!




私にとっては怜くん結構中心的に回ってるからー。



中二のまだ好きじゃなかった頃の私が見たら気持ち悪いって思うけど。
あなた
うぅー…



これを繰り返すのも、あれだと思って気持ちを切り替える。

Rei
イヤホンは買ったら言うねー

イヤホンよりも怜くんの写真の方が興味があったのだが…。



…と思いつつ、LINEを打つ。
あなた
うん!





…と長いくだりで冬休みに送った写真が今頃 送られてくる。
あなた
アライグマ
あなた
あなた
にゃんちゃん
あなた
かわいぃー!
あなた
私の顔は余分
Rei
えぇー
余分だよ、ほんとに〜…。




何が えぇーだか分からない。
Rei
ゴーン被告がーなんか喋ってるよー
あなた
LINEの話の変え方 独特…。
あなた
いまねー
あなた
ドラマ見てる〜
そしてノリについて言ってしまう私。
Rei
(・д・。)エー?
Rei
なんのー?
あなた
録画ー
あなた
えっとね
あなた
警察を育てるドラマー
あなた
だよ…?
ドラマの名前とか覚えるのが苦手な方…。



何回も見てるのとかなら覚えれるんだけど…。

相棒とか水戸黄門とかは覚えてるっ。



なんのドラマか分からず、隣にいるお母さんに聞いてみる。
お母さん
教場ー
お母さん
教科書の教に場所の場
打とうと思ってLINEを見るとすでに返信が聞いてた。
Rei
教場??

え、すごい。


私が打つ前に分かるだなんて…。





…ということは見たことあるのかな?
あなた
あってる!
勢い余って少し変な返信になってしまった。
Rei
あーー
あなた
お母さんに聞いたら、それだって
あなた
うん!
Rei
ネタバレしますね
あなた
だめだよ?!
その後に嘘ですが…というスタンプが来た。




や、怜くんのネタバレは結構本気なんだもん。


鬼滅のネタバレめっちゃしてきたし…。
学校もそうだけどLINEでめっちゃ長文で送られても来たし。
Rei
今日
あなた
(*´・д・)*´。_。)ゥミュ
Rei
イヤホンの日だよ
あなた
え、なんか泣いた猫のスタンプが来たんだけど…。




もしかして話変えました…?

話のかえ方唐突過ぎてついていけなかったよ?!








まぁ。もう少し気付かないふりをしてみよう。
いつも怜くんにからかわれてばかりだから ちょっとくらい、いいよね?





そう思って はてな を打つ。
あなた
スタンプが送られてくる






最終的に怜くんが1と8の日だからー…とネタばらし。

まぁ。ポッキーの日みたいなのかな とは思ってたけど。
Rei
スマホにね、今日は何の日か出てくれるのー
嬉しそうにそうやって報告してくれる。




可愛いなぁ…とLINEを見る。















1日1日怜くんの事を知って、怜くんの事が昨日よりも好きになっていく。


もう、すんなりと諦めると言えないほど君の存在がどんどん大きくなっていく。















この感じが怖いはずなのに、もっともっと と思ってしまう。自分がいる。

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