第18話

秘密の目標
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2020/01/09 09:25
教室に着き、すぐに君のところに行った。



周りからしたら、もう私が怜くんのことが好きなのは 丸わかりかもしれない。
あなた
れ・い・くん!
次の時間は掃除。





男子は学ランを脱いでワイシャツと半ズボンでやる。

女子はスカートを脱いでネクタイを取った格好が掃除をする格好。







怜くんは椅子を机の上に乗せ、机の中を覗き込んでいる。
青木 怜
んー?
と言って振り返る。
私は3つのカイロを手につかみ、怜くんに見せる。
あなた
どれでしょー?
どれが自分のか当てるといシンプルなゲーム。





ゲームと言っても、どれが怜くんのでどれが私のかは 丸わかり。








私のが白いカイロにオレンジの文字が書かれていて

怜くんのには書かれていない、真っ白なカイロ。
青木 怜
んー…
青木 怜
これ〜
私は怜くんの言ったカイロを怜くんに渡す。
あなた
貸してくれて ありがとうー
青木 怜
本当だよー
青木 怜
寒くて死にそうだったんだからね〜?
あなた
えへへ、知ってた〜
青木 怜
えー?
だって、寒い寒いって同じ班だった時。



よく、私のカイロ奪ってたからね。
あなた
気持ち悪くならなかったー?
あなた
あ、寝てるのかw
青木 怜
えー、なったよー
青木 怜
後ろがゼル亭じゃなくて、浅野で3回も起こされた〜
ゼル亭は、たぶん男子のあだ名。

いつも怜くんの後ろに座ってる子…たぶんだけど。




正直、怜くんばかり気にしていて男子の前後 誰とか覚えてなかった。






これ他の子からしたら結構失礼だよね…ごめんなさい。


女子の場所なら意外と覚えてるんだけどなぁ。








莉子ちゃんが私の前で美月ちゃんが私の2個前、舞花ちゃんは私の後ろ。

うん、完璧…!
あなた
どんまい〜
あなた
やっぱり寝ようとしてたんだw
青木 怜
うん
青木 怜
寝なかったせいで気持ち悪い〜
あなた
ww
いつもじゃんw







怜くんは集会が終わると気持ち悪くなったり、頭が痛くなったりする。

体育の前も ときどきそうだけどね。






そろそろ 吐きそう とか言い出す頃かな。
青木 怜
あー
青木 怜
集会中 吐くかと思った〜…
え。集会中って初めてのパターンだ。
青木 怜
さすがに集会で吐くのは我慢したけど
青木 怜
皆いるし、、
結構きてたんだなぁ、大丈夫かな。




たしか昨日の集会、他のクラスの男子お腹痛くなってトイレに駆け込んでたなぁ。






私の学校の体育館の集まり系って結構危険なのかも。
あなた
えらいえらいw
あなた
今は大丈夫ー?
青木 怜
うんー、まぁまぁ。
青木 怜
カイロ持ってなかったから寒かったなぁ〜
青木 怜
寒かったなぁ〜
寒かったなぁ〜を連呼する怜くん。



怜くんがいいって言ったじゃんw

と思いつつ、怜くんが無理をしてるのは知ってたので とりあえず謝罪。
あなた
すみませんでした〜!
怜くんが今、掃除の格好って言うのもあって本当に寒そうだ。
青木 怜
死んでなかった〜?
おっと、急に質問された。




足は冷えたけど、怜くんのおかげで全然大丈夫!

足の温め方があったら教えて欲しい…できれば、体育館シューズ脱がないやつを。
青木 怜
んー、なら良かったー
あなた
え、心配してくれてたの?w
青木 怜
うん
青木 怜
一応心配してるよー
青木 怜
一応ね
体育館行く前は 死なないでよー くらいだったのに。




今はちゃんと心配していたって言ってくれた。












一応だけど…














これだけで喜んじゃう私って、やっぱり単純なのかなぁ。



でも、正直に言うのは恥ずかしくて。






つい照れ隠しをしてしまう。
あなた
えー?
あなた
一応は余分〜
本当は満足しちゃってるけど…   







正直に言うのは まだ抵抗がある。


















































でも、いつか。















君に素直になってせるから。































覚悟してよね


















君の横顔を見ながらこっそり決めた、秘密の目標。

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