あなたside
あなた「苦しみを断ち切り、幸せを…」
ニ「……はいはーい、そこまで!そこら辺の話はまた今度にしてとりあえずよろしくって事で!病人以外は部屋から出てってくださーい」
相「えぇ!?まだ話の途中じゃ…」
ニ「文句言わない。いいでしょ?リーダー?」
大「…ああ」
二宮さんに言われて4人は部屋を追いやられる形で出ていった
あなた「……」
ニ「そんで、怪我人は大人しく寝てなさい」
バサッ
あなた「うわ!?」
ニ「お前、思ってるより酷い怪我なんだから1週間は絶対安静。分かった?」
あなた「は、はい!」
ニ「じゃあ、おやすみ」
あなた「はあ…」
そう言って二宮さんは奥の部屋に入っていった
あたしはゆっくりとベットに横になった
あなた「なんか変な事になっちゃったな」
死のうとすら思ってたのに
初対面の人たちと一緒に暮らすことになるなんて
あの人たちはああ言ってたけど本当にいいのかな?
それ以前に任務をしくじったあたしがのうのうと生きていていいのかな?
そんな事を色々考えてるとなかなか寝つけなかった
ガチャッ
?「眠れないのか?」
あなた「大野さん。いっ…」
大「寝たままでいい」
大野さんは手近にあった椅子に腰かけた
あなた「…二宮さんにご用ですか?」
大「いや、アンタだ。1ついい忘れてた事があったから」
あなた「?」
大「アンタを助けたのはただ単にほっとけなかったからだ。別に情報を聞き出すとか人質とかそんな事のために連れてきたんじゃない」
あなた「……」
大「俺たちが何を言おうがアンタの命や人生はアンタのもんだ。好きにすればいいと思う」
あなた「じゃあ…」
大「ただ…」
あなた「?」
大「ただ、もう少し生きてみてもいいんじゃないかと俺は思う。世の中にはアンタの知らないことが沢山あるだろうし、俺たちはいつまでいたって構わないから」
あなた「…ありがとう、ございます」
大「気にすることじゃない。とりあえず今はゆっくり休め。話はそれからだ」
スッ
大野さんはそっとあたしの視界を塞いだ
この人は人の心が読めるのだろうか
あなた「……スー スー」
さっきまでの緊張が嘘のように
あたしはいつの間にか眠りについた
大野side
そっと手を退かすとあなたはすっかり眠っていた
よっぽど疲れてたんだろう
大「フッ」
何でこんな事をしてるのか
何であんな言葉をかけたのか
自分自身もよく分からない
けど、ただ…ほっとけなかった
それだけははっきりとしていた
それからあたしは3日間ずっと眠っていたそうだ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。