ポワッ
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《ボクは、ずっと》
《真っ赤な苺のタルトが》
《食べてみたかった》
《たまに通りかかるケーキ屋さんの》
《ショーウィンドウに飾ってある》
《宝石みたいなタルト》
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《分刻みで詰め込まれる》
《ありとあらゆる学問》
《出来なければ出来るまで延長される学習時間》
《でも、これがボクの》
《『普通』だった》
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コンコン
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《トレイとチェーニャと遊ぶのは》
《すごく楽しかった》
《知らないこと、やったことない遊び》
《2人はたくさん教えてくれた》
《それから1日1時間の自習時間は》
《毎日 お母様に内緒で》
《部屋を抜け出した》
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《真っ白なお皿に乗った、真っ赤な苺のタルト》
《ボクにとってはどんな宝石より》
《キラキラ輝いて見えた》
《一口食べたタルトは、すごく甘くて》
《食べたことがないくらい美味しくて…》
《ボクは一口ずつ》
《味わいながら》
《夢中になって食べた》
《――時間を忘れて》
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《ルールを破れば》
《楽しい時間まで》
《取り上げられてしまう》
《だからお母様の決めたルールは》
《絶対に守らなきゃ》
《この街で一番優秀なお母様は》
《いつでも正しいはずだから》
《でも……ねえ、ママ》
《なんでだろう?》
《何故だかとっても胸が苦しいんだ》
《お誕生日だけでいいから》
《いっぱいタルトが食べたい》
《お外でいっぱい遊びたい》
《もっといっぱいお友達が欲しいよ》
《教えて、ママ》
《どんなルールに従えば》
《この苦しさは消えるの?》
パアア
そこには、うずくまって静かに泣いていたリドルがいた
…
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。