「ゴゥン...」
その時、横に車が走ってきた
そう言って車は走り去っていった...
その時、俺の頬をレーザーポインターが横切った
急いで、後部座席に座っている仲間を見た
レーザーポインターは、仲間の心臓を指していた
どうするッ!?
どうすれば良いんだッ...
「パァンッ...」
レーザーが発射された...
銃口を通り、空を斬り、フロントガラスに穴を開け、仲間に着弾した...
瞳孔が開いた...
脳が考えることを辞めた...
真っ白になった...
車を止めて、急いで後部座席へ移動した
返事はない...
細胞が死んでいく...
やがて、全身の細胞が死んでいき、
「脳死」に至る...
自分の目の前で、死んでいく仲間をただ見ることしか出来なかった...
だが安心は出来なかった
レーザーポインターが俺の心臓を指している
時計を見る
1秒、2秒、3秒...
その時、車が走り込んできた
27秒、28秒、29秒...
「パァンッ...」
「キィィィッ...!」
「ガチャッ」
車内からあの女性が降りてきた
俺の車に近づいてきて、
「コン、コン」
と窓を叩いた
俺も車から降りた
荒い息遣いをしている
どうやら腹を撃たれているみたいだ
手首を見る
「19」
と刻まれていた
声が薄れていく...
そう言って、死んでしまった...
俺は立ち上がり、心臓を撃たれた仲間を見に行く
傷口の周りをなぞる...
何かがおかしい...
もう一度よく傷口を見る
奴らの技術なら、既に銃弾を超しているはずだ筈だ...
なんならレーザーを使用をしている筈だ...
明らかに
「銃弾」
で撃たれていた跡だった...
それを気づいた瞬間、激痛が走った
それから数秒後...
俺は死んでいた...
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!