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第1話

プロローグ
アヤ!早く起きて!」

うるさいお母さんの声がする。
最悪の目覚め。誰しも1度は経験があるはずだ。
寒い冷えきった冬の朝に無理矢理布団の外に引きずりださんばかりの勢いで親に起こられたことが。
私はこれがほぼ日常だ。だから冬は嫌いだ。

「もうあと30分!」
「いい加減にしなさい!明日久喜クキ君が泊まりに来るときに貴方の寝ているその部屋を荷物置きにするんだから、しっかり掃除しなさいよ!」
「わかってるってばぁー!!」

久喜君、というのはお母さんの姉の息子...
つまり私のいとこのような立ち位置だ。
いとこのような、というのは私のお母さんはおばあちゃんがおじいちゃんと再婚したときにおじいちゃんが連れていた子供であり、おばあちゃんが連れていた子供がお母さんの姉。お母さんとお母さんの姉は血がそもそも繋がっていない。
要するに私と、久喜君は血が繋がってない。
...かなりややこしいが、久喜君は少女漫画の男の子キャラみたいに文武両道!眉目秀麗!容姿端麗!の3拍子揃ったハイスペック人種だ。(逆に血が繋がっていたらこっちが申し訳なくなる。)

「なにボーッとしてるの!!掃除機さっさとかけなさい!」
「わかってるから!!そこ置いておいて!!」
「あ、あと隅から隅まで綺麗にしなさい。本棚の後ろ、ベッドの下、クローゼットの奥。ホコリなんて全部纏めて燃やしておくのよ?わかった?」
「燃やしたら火災報知器なるでしょ...。」
掃除機の勢いを強にして、ぐわぁぁぁー!!と一気にホコリやら髪の毛やら紙屑やらを吸い上げる。言ってしまうのもおかしな話だが、私の部屋は定期的に掃除をしてるから綺麗だ。お母さん達の寝室の方が圧倒的に汚い。人の心配するより自分の心配しろ。
ガゴゴガッ!!
何かを吸った。ベッドの下の僅かな隙間。
何をいれたんだろう?
そのまま手前に掃除機を持ってくる。
100均で売ってそうな、安っぽそうなノート。
...深い青色をしていて、ノートの名前を書く欄には黒いボールペンのような筆跡でこう書いてある。
「    」
無題?かっこ、かっことじ?
恐らく後者は違うだろう。
他に書いてあることといえば、ぐちゃぐちゃと雑に塗りつぶされた下の方。他に目立ったことはない。
無題のノート。普通そんなもの書かない。
仕方ない読んでみるか。
そう思って、私はノートの表紙を捲った。

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藤代栞奈
藤代栞奈
よろしくお願いします。 昔は夕塗という名前でしたが、なぜかログインできなくなったので心機一転して新しい名前で始めることにしました。 「突然ですが今から辞めます」などの作者でした💦 他にも桜海鏡麻さんの作品の表紙の多くを手掛けたことがありますが、現在は行っていません。 滅多に浮上しません。
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