第5話

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2021/08/01 12:32



健人side


中島 健人
中島 健人
んね、大丈夫??



声をかけた彼女はとても綺麗で。

つやつやの髪、
真っ白な肌、
くるんとしたまつ毛、
ほんのり赤い唇。

ただ、、
泣いている彼女は、悲しい目をしていた。


そして、すぐさま俺に警戒の眼差しを向ける。


椿野 (なまえ)
椿野 あなた
大丈夫、、です。



そんな彼女がどうにも
放って置けなくて、、

無視したらそのまま消えてしまいそうな。。


気付いたら手を取っていた。


中島 健人
中島 健人
大丈夫、、じゃないよね、?




彼女は驚いた顔をする。

そんな顔さえ、可愛いと思ってしまって。


こりゃ完全に落ちてるなぁ、
なんて呑気に考える。


椿野 (なまえ)
椿野 あなた
あの、、なんですか??
中島 健人
中島 健人
え、何が?
椿野 (なまえ)
椿野 あなた
すごい、口元…?
見てくるから、、///
中島 健人
中島 健人
え、口元…?
そんな見てた?
椿野 (なまえ)
椿野 あなた
そんな気がします…



好きになったかも、って考えて、
ぼーっとしてたなんて
口が裂けても言えない…///


中島 健人
中島 健人
それより、なんで泣いてるの、?



彼女は少し言いにくそうにした後、
決心したように口を開く。


椿野 (なまえ)
椿野 あなた
帰る家、ないんです…



言葉を失った。


もっとこう、、
違うのかと思った。

彼氏にフラれたとか、捨てられたとか。

そういうのなら、
励ましてでもあげられたのに。


事情はどうであれ、
その辺にいる女の子より
事の重さが違うと、俺でもわかった。


中島 健人
中島 健人
えっとそれは、、家出…?



やっとのことで絞り出した言葉は、
震えていて頼りなさげだったと思う。


椿野 (なまえ)
椿野 あなた
すみません、
困らせてしまいましたよね…?
私は大丈夫ですから、、もう行きますね。



そんなにパッと、
言える事情でもなかったのだろう。

彼女が去って行く足音がした。


ここで、引き止めないと。
そうでないと、
どこか悪い方に行ってしまいそう。。

さっき感じた焦燥感を覚え、言葉を探す。


中島 健人
中島 健人
ちょっと待って…!!



彼女は、とてもゆっくりと振り向いた。


椿野 (なまえ)
椿野 あなた
なんでしょう。



そんな悲しい顔をしないで。
君の笑った顔が見たいんだよ、


中島 健人
中島 健人
俺の家、帰らない??

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