壁に飛散る血飛沫 。
そして転がっている男達の残骸 。
もうこの光景を見ても 、何も思わなくなった私は
どうかしている 。
この人数を一人で始末する〈 いばら姫 〉の実力を
店長はちゃんと把握しているのだろうか 。
把握しているのならば 、今回派遣された私は
一体何の為に … ?
え 、まさかの後始末 ……… ???
〈 いばら姫 〉が口が悪かった事は置いといて 、
" 西国 " という言葉に 、私は反応する 。
現在 東国と西国は仮初の平和で成り立っている 。
あの戦争以降も両国の秩序が回復することは無く 、
いつ戦争が起きてもおかしくない状況が今もずっと
続いている 。
私は 、テーブル上に散らばった書類を集める 。
国の財務書類 、年間予定表 、東国との関係について
沢山の書類があった 。
その中でも私の目を留めたのは 、
『 西国の政府機関対東課WISE 』
私は今後使えそうな書類をバッグに入れて 、
部屋を出た 。
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
帰路につきながら 、私は目に留めた書類を見る 。
『 西国情報局に所属しているスパイ〈 黄昏 〉 。
並外れた観察眼と記憶力を持ち 、百の顔を使い分ける変装のスペシャリスト 。 』
私達の天敵である人物 。
〈 黄昏 〉を自分の目で見たメンバーは誰も居ない 。
だから確証が持てないし 、只の噂話かもしれない 。
だけど 、もしあの噂が本当だったら ??
もし彼が本当に ____________ なら 。
私は ────────────
会いたいよ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!