ここは 、東国にあるバーリント総合病院 。
私はその中で小児科の看護師として勤務している 。
子ども達の笑顔を見られる仕事は 、本当に楽しい 。
この 【 看護師 】という仕事も 、
【 スパイ 】という仕事も 。
私のしている事が誰かのためになると考えるだけで 、今日も一日頑張れる 。
私は美味しそうにおにぎりを頬張る小さな患者様に
手を振り 、病室を出た 。
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
スタッフステーションに戻ると 、同僚が私の名前を
呼んだ 。
送り主は 、組織からだろう 。
新しいミッションの事について 。
私は段ボールを開けて 、中に入っていた1冊の雑紙を取り出す 。
同僚が後ろから覗き込んでいるが 、別に良い 。
他の人が記号が並んでいるこの文章を理解できる訳が無い 。
これは 、組織のメンバーしか分からない暗号 。
同僚は全く記号を理解できなかったのか諦めて 、
仕事に戻った。
私は 、改めて文章に目を通す 。
" 今夜23時 、大通りのホテル最上階集合 "
" 【 ガーデン 】 との共同任務 "
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
23:00
静寂に包まれる廊下にヒールの音が響く 。
ガチャ
扉の開いた音が聴こえると同時に 、室内から水の
流れる音も聴こえてくる 。
部屋に入ってきた女は 、部屋の残骸を見てため息を
ついた 。
〈 いばら姫 〉と呼ばれた女は 、あなたの顔を見ると微笑んだ 。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!