第8話

スカイピース テオくん
732
2019/03/28 01:49
体のだるさで目が覚めた


まさか、と思って体温計を脇に挟む


測り終わった体温計を見ると38.2℃


やっちゃった……


今日はテオくんとのデートだったのになあ


だるい体を引きずってケータイを手に取り、
テオくんに電話をかける



『“もしもし、あなた?
珍しいねこんな早い時間に起きてるなんて“』



電話に出たテオくんは、
まだ朝の早い時間なのに元気で


大好きな人に会えない事を考えると
自然に涙が出てきた



「っ……うぅっ、テオくんごめん、私熱出ちゃって今日のデート行けなくなっちゃった……」



私がそう伝える



『“……そっか、仕方ないね。
今日は会えないけどまた今度デートの予定たてよっか!
じゃああったかくして寝るんだよ?薬ちゃんと飲んでね、お大事に』



テオくんは早口でそう言って電話を切った


テオくん……?


それだけなの?


もうちょっと……何か言ってくれないの?心配してくれないの?


体のだるさとテオくんの素っ気なさで、
また涙が込み上げてきた


もういいや、寝よ


目を閉じるとすぐにスッと意識がなくなった










「……っ」



キッチンから聞こえた小さな物音で目が覚めた


おでこには自分で貼った覚えのない冷えピタ


近くの小さなテーブルの上には、
コップに入った水と薬が置いてある


誰だろう、こんな時に家に来るなんて


熱出たのはテオくんにしか言ってないけど、
今日も忙しいから来るわけないし……


少しだけ楽になった体を起こして、
物音のするキッチンに向かう



『あなた!
ごめんね、起こしちゃった?』



そこには、
キッチンで何か作ってるテオくんがいた



「テオくん……?
何でここにいるの?来ないんじゃなかったの?」

『え?俺来ないなんて言ってないよ?
電話すぐに切っちゃったけど、薬とかゼリーとか買ってすぐ行かなきゃなって思ったから。
様子見に来たら寝てたから、今お粥作ってたとこ!』



そっか、テオくん看病しに来てくれたんだ


嬉しい、嬉しすぎるよ……


少しだけふらつきながらテオくんの元に行き、
あまり出ない力でぎゅっと抱きしめる



「……テオくん、好き」



私がそう言うと



『俺も、大好きだよ。
早く治してデート行かなきゃだから、あなたはまだ寝てな?
お粥できたら持ってくから』



テオくんはそう言って私を寝室に連れて行ってベッドに寝かせ、
布団を被せてくれる


テオくんの手を握ると、
ちょっと照れくさそうに笑う


ほっぺに軽くキスされ、
私はまた夢の中に入った















「お帰りなさい、ご飯出来てるよ」

『ありがとう!じゃあパパとママと一緒にご飯食べようか!』

「うん!食べる!
今日はね、僕の大好きなオムライスだよ!」















テオくんと結婚して、
幸せな家庭を築いている夢を見た


いつかこの夢が現実になるといいな










『あなた〜、お粥出来たよっ』



優しく私を起こしに来てくれたテオくんの笑顔を見て、
私はやっぱりこの人しかいないって思った



『え、なになに、顔にお米付いてる?』



私があんまりテオくんを見るから、
テオくんは慌てて顔中をぺたぺた触る



「いや、やっぱりテオくんのこと好きだなあって思って」

『熱出てるからなのかな、素直だね(笑)
そんなあなたも可愛いけど〜!』



テオくんはそう言って、
唇に軽く触れるくらいのキスをした





---------------------------------------------------------------



テオファミ🐴 さんのリクエスト「テオくん」でした!



たくさんのリクエストお待ちしております☺️



---------------------------------------------------------------

プリ小説オーディオドラマ