翔太side
希空と待ち合わせして
行くあてもなくただ歩く
暫く歩いてると希空と出会ったあの公園に着いた
公園のベンチを指さしそこに座ると
伝えようとしてた言葉が緊張して
なかなか出てこない。
頑張れ俺
急過ぎたよな……。
うんっと言われた瞬間
俺は希空をギュッと抱きしめた。
俺はその返事を聞くと同時に
今度は苦しくならないように優しく
そっと抱きしめた。
希空は目の前のマンションを指さす
私は翔太くんに背を向けて家を目指すと
希空っと呼ばれて足を止める
翔太くんが近づいてきて
ほっぺに柔らかいものが当たった。
その正体はすぐわかる。
それだけ言うと翔太くんは駅の方へ
背を向けて歩き出す。
一瞬何が起こったか理解出来ず
私はただキスをされたほっぺに手を当てながら
見えなくなるまで翔太くんを見つめていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!