第6話

ぺけたんの日常
563
2018/11/22 12:47
息ができない。色々な植物に囲まれ、身動きが取れない。誰かに助けてほしいところだが、生憎、周りに人がいる気配はない。何故こんな時に限って誰かと一緒に来なかったのだろうか。実は今、能力が暴走してしまい、俺が出した植物に取り込まれてしまっている。こういうときにシルクがいてくれれば植物を燃やしてくれるんだけどな。シルクは今、マサイと一緒に別方向の探索に行ってしまっている。そろそろ、息が持たなくなってきた。もがけばもがくほどきつく巻きついてくる植物たち。俺の能力はこういうときに厄介なんだと、今だけ自分の能力を恨む。ついに植物が俺の首まで巻きついてきてしまった。あぁ、もう此処で死んでしまうのか。生きることを諦めそうになる直前。奴は現れた。
『なになに?w死にそうじゃん〜wちょっと今日は気分が良いから、助けてあげる。w』

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真夜中、植物を使いこなせるようになるための訓練をしながら、そんなことを思い出していた。あの時、助けてくれたのは、裏の俺。またあんなことにならないように今は訓練の真っ最中なのだ。なるべく、メンバーにはバレないように、隠れて、こそこそとやっている。もし、植物が暴走して仲間が取り込まれていったら......想像するだけで恐ろしい。その点、ダーマはその暴走の餌食にモトキがなってしまったため、本当に恐怖だっただろう。俺には気落ちするダーマを慰めることしかできないのがとてももどかしい。どうすればダーマが自分を責めずにいられるようになるか。それを考えながら訓練をするのであった。

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